不動産対策コラム

空き家問題と共有分割・・・(2016.10.17)

今、ちまたに空き家の問題が勃発しています。

東京をはじめ、地方の各地域でその問題は深刻化しています。

その原因としては、子どもが親の家を継承して住まなくなった核家族化をはじめ、もちろん人口の減少もその空き家問題に拍車をかけています。

さらには、空き家の問題の原因としては相続が発生しその遺産分割を共有持分で分割してしまったこともあげられるでしょう。

空き家問題の解決策として、一番、難しいのは、どうあっても「売れない」、「貸せない」、物件でしょう。

この場合、自分で住むという用途がなければ、にっちもさっちもいかなくなるでしょう。

あげくには、固定資産税の軽減のため、崩れんばかりになった家を放置しているといった状態も見受けられるようになります。

反面、立地に恵まれていて「売ること」も「貸すこと」も容易な住宅なのに荒れ果てた「空き家」となっているものも見受けられます。

何とでもできる条件の恵まれた物件なのに、何故・・・

このようなケースでその物件の不動産情報を調べてみると、権利者甲区に所有者が30人で共有しているといったことがあります。

そして、取得原因をさかのぼっていくと、ひいおじいちゃんの相続、おじいちゃんの相続、等々・・何度かの相続を繰り返すたびに、相続人の共有持分で分割を行った結果、所有者が何十名といったケースが出てくるわけです。

こうなると、もう大変なことになってきます。

貸すことも、売ることも、更には、壊すことさえ、共有者全員の合意がなければ、前に進みません。

ただ、たんに、立地に恵まれずに、「貸すこと」も「売ること」も出来なかったケースとは違うのです。

ただたんに、立地に恵まれていないケースの場合は、最低、壊して更地にすることはできます。

一応の空き家の対策とはなるわけです。

ただし、共有持分の場合、壊すだけでも、相当の手間と苦労がかかりそうです。

相続が発生したときには、とりあえず、共有で分割しておけば、全ての手続がスムーズに進みますので、つい、共有持分で分割しがちになってしまうかもしれませんが、のちのちの手間とリスクを考えた場合、共有での分割は御法度のようです。

やはり、相続には、事前の準備が大切なようです。

できることであれば、遺言書、それも公正証書遺言を遺しておきたいところです。

20年先、30年先も円滑にものごとがすすめられるように・・・

備えあれば憂いなし・・・です。

自宅併用賃貸住宅を建てる場合に伴う小規模宅地等の特例の注意点(2016.10.17)

昨年来より、相続税の基礎控除額の減額による増税が騒がれていますが、反面、小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例は面積要件等は緩和され、この特例規定を適用できるかたは減税となってきます。

これは、基礎控除額減額分を、一定の要件を満たす方には補えるように配慮したものと思えなくもないように感じます。

この小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例は、もともとは事業承継対策としてできたものらしいです。

個人が商売等の事業の用に供している土地はその家族にとっては最低限、必要な財産・・・それではその財産を引き継いだ者が継続して事業を続けて行くのならばその土地の課税価格を低くしてあげますよ、という目的であったようです。

そして、その必要な財産は、居住用に供しているのも対象となり、さらには事業のうち貸家経営のような不動産所得に分類されるいわゆる準事業といわれるものに供している土地は一般の事業とは区分されることとなっていきました。

そして、現状は、事業用の小規模宅地は400㎡まで80%の評価減、居住用は330㎡まで80%の評価減、貸家用は200㎡まで50%評価減、そして事業用と居住用はそれぞれの限度面積まで併用が可能となりました。

要は、事業用で400㎡+居住用で330㎡、合計730㎡までMAX80%の評価減の恩恵が受けられることとなりました。

ただし、貸付用の特例の適用を受けようとすると、旧来の全体として400㎡(居住用と貸付用はぞれぞれ×400/330、×400/200、を乗じた地積で判定)の面積要件が生じてきますので、土地をたくさん所有されているかたは、この貸付用の特例の適用をうけることは少なくなってくるものと感じています。


この小規模宅地等の課税価格計算の特例は相続税の基礎控除額が減額されてしまったなか、非常に有効な見逃せない相続税の特例規定になってきたように思います。

都心部の不動産は住居用しかないといったかたも基礎控除額の減額で相続税の課税を心配せざるをえなくなった状況では、この小規模宅地等の特例が受けられるか否かで相続税の課税を免れるかいなかの分かれ道となってきます。

充分にその適用要件とその適用を受けたことによる効果については充分に検証しておきたいところです。


たとえば、住んでいる家を建て替える場合に敷地が100坪(330㎡)と広めであることから、自宅の他に貸家も併用して建て替える場合を考えてみます。

ハウスメーカーの営業のかたから、どうせ建て替えるのなら自宅以外にも将来の年金の足しに貸家を併用して建てましょうと奨められることがあるでしょう。

住宅地としての環境も良く、交通のアクセスや学校、スーパーの立地も申し分ないといったような市場性の高い地域であれば悪くない話です。

そして、長男は転勤族で定年までは日本全国を回って歩く、長女は嫁いでいて、同居するあてもないので2世帯住居を建てる必要もない。

老夫婦2人で住む家に対しては敷地が広いし、もったいない・・・

であるならば、貸家を併用して、賃料を年金の足しにしてという考えはもっともな話です。

そして、敷地のうち、貸家部分は貸家建付地として、相続税の評価額の計算上、一定の減額できる計算方法が採れることとなってきます。

しかし、小規模宅地等の特例に違いがでてくることとなってきます。

大まかな条件設定として、敷地100坪(330㎡)、路線価坪100万円(借地権割合60%)、建物100坪(住居部分50坪、貸家部分50坪)としてみます。

住宅のみ建て替えた場合の相続税評価額は次の計算となります。

路線価100万円☓100坪=10000万円(1億円)-10000万円☓330㎡/330㎡☓80%(小規模宅地等の特例の減額)=2000万円となります。

そして、上記の条件設定の貸家併用で建て替えると次の様な計算となります。

①敷地のうち住居部分

路線価100万円☓(100坪☓50坪/100坪)=5000万円ー5000万円☓165㎡/165㎡☓80%(小規模宅地等の特例の減額)=1000万円となります。

②敷地のうち貸家部分

路線価100万円☓(100坪☓50坪/100坪)☓(1-0.6☓0,3)=4100万円ー4100万円☓100㎡/165㎡☓50%(小規模宅地等の特例の減額)=2857万円となります。

①+②=3857万円となります。

このケースの場合、住居のみで建てた場合と貸家併用とで建てた場合の差は1857万円となり、おおよそ2倍近くの差となってきます。

仮に、株を初めとした金融資産や多額の生命保険金に加入しており生命保険金の非課税控除後で1億円程度の金融資産があった場合で、基礎控除額控除後の課税価格が5000万円超1億円以下の場合とすると相続税の税率が30%となりますので、おおよそ557万円程度の相続税の差となって表れてきます。

こうなってくると、貸家で稼いでくれる収入から貸家のローン(ローンを組んでいたとして)を差し引いた実収入と比較して、どの程度のメリットが生じるのかの検証は、是非とも、しておきたいところです。

このようなケースでは、この家を建てたお父さんが高齢となり相続を意識せざるを得なくなった頃に長男家族が貸家に住んで、小規模宅地等の特例の恩恵をより多く使えるようにするといったことは考えられるでしょう。

その方法にしても、細かな適用要件を確認する必要はありそうです。

もっとも、この小規模宅地等の特例は租税特別措置法の規定ですので、いつなくなってしまうか分からない規定ではありますので、遠い将来にわたってこの規定をどこまで意識するのかを考える必要はありそうです。

ただ、相続は、いつ起こるかは分からないものですから、ある程度は現行法令に基づいて考えざるを得ないこととは思います。

さらなる消費増税も控えていますので、あらゆる営業の提案が考えられます。

そんな時には、是非、いろいろな角度から考えてみて将来のキャッシュフローを検証しながら判断していってみてください。     

一昨年からの相続対策としての生前贈与の人気(2016.10.17) 

 一昨年一年間の贈与税の申告による納税額は、その前年対比60%を超える増加だったようです。

昨年からの相続税の基礎控除額の減額に備えての傾向が顕著にあらわれたといって過言ではないでしょう。

何といっても、毎年、110万円が非課税となります。

上手に利用して、将来の相続税対策に活用していきたいところです。

贈与税の納税額が、対前年比60%増ということは、非課税枠を超える贈与が多かったということです。

贈与も、その目的に応じて贈与する金額や贈与する時期をいろいろと考慮しなければなりませんが、あえて、非課税枠を超えた贈与を選択していることも考えられるなと感じています。

110万円を少し超える贈与をして、あえて、少額の贈与税を払って贈与の証拠を残しておく目的等等が考えられます。

税務上の贈与は、何かと相続が発生し相続税の調査等で何かと物議を醸し出すものです。

税金を徴収する側は、租税法律主義(法律で定められた事項(条文等)以外で税金を課すことはできない規定)は、もちろん大前提で対応はしているものの、反面、課税公平の主義から強く税金の徴収を意識しています。

要は、何でもかんでも贈与、贈与で預貯金等の名義を移して、いざ相続が発生といったときに、多額の預貯金が相続人に生前に相当額移転していた。

この事実に対して、税金を課税する側は、相続税の負担を下げさせる目的で行った贈与なのか、本当に必要として行った贈与なのかを見極めようとします。

本当に必要な贈与などという定義はあるわけもなく、その判断となる具体的な根拠を示すのは難しく、それであるならば、子どもや孫に黙って作った子どもや孫の預金通帳にお金を移していくとか、その預金通帳等をその贈与した人が保管しているなどといった行為は、貰った側も知らない行為であることから、それは贈与でないといったことで、その贈与した人の財産という解釈で相続税が課されることがあります。

まさに、必要として行った贈与という以前の問題として、そもそも、もらった側が知らない、もしくはもらった側が自由に管理できない状況では、贈与ではないという解釈のようです。

贈与も一つの契約行為である限り、あげる人、もらう人の合意があって、成り立つものであるとするのがその根拠となっています。

とはいうものの、親が子どもに黙って子どもの預金通帳にお金を積んでいってあげるのは、子どもに知られてしまえば、安心して散財しかねないことから、黙って貯めているのが多いことかとは思いますが。税務上はその行為は税金を下げるための租税回避行為というような解釈となってしまます。

子どもを思う親の心は、あまり、関係ないということでしょうか・・・

もっとも、そんなことを気にしていると租税回避行為をやったものの勝ちのやらない正直者が損をするといった課税の不公平が生じてしまうこととなるでしょう。

やったもの勝ちを防ぐ考えが、課税公平の主義です。

相続税法の条文には、黙って贈与したら課税などという表記は無いはずですが、ただ、暦年贈与の場合は年間110万円は非課税ということが規定されているくらいです。

このように考えると、黙って贈与した預金等は、『名義預金』などと呼称されていますが、黙って贈与した人は、子どもに黙って贈与して何が悪いと思っているかもしれません。

ただ、課税の公平性を考えるとやむなき処置であるやもしれません。

ここで、生前贈与の注意点ですが、単に贈与税を申告して贈与税を払ったから安心と、たかをくくるのではなく、預金通帳の保管や相互の合意があったことを証する贈与契約書を取り交わしておくことが賢明です。


税務上は租税回避行為の防止のため、民法とは別に独自の規定を設けることがあります。

その代表例は、法定相続人の数に算入する養子の数の制限です。

民法上は、何人、養子がいても、それは当然養子として子どもの権利がありますから、もれなく相続権は有していることとなります。

相続税の計算上、養子の数を制限しているというだけなのです。

長々と、なってしまいましたが、生前贈与を行うときには、後々の相続のときも想定してその手続を奨めてみてください。

そして、税法のことのみならず、民法の考え方としての特別受益や遺留分なども考慮して行ってみてください。

さらに、安全のためには、専門家に財産の状況を現状分析してもらい、土地の評価もきちんと算出し、相続税の評価額も確認したうえで、将来起こるであろう相続の時の遺産分割までをも見すえた生前贈与の計画をたてて欲しいなと思います。

そして、公正証書遺言等で、相続のときの手続は、円滑さらには円満に行えるように準備しておくことが理想だと思います。

そのためには、税金のことばかりではなく、遺産分割のための民法の知識や、さらには不動産の本当の意味での価値が理解できる不動産の知識を有しているかたの協力は欠かせません。

相続対策は、部分的な判断で実践すると失敗するリスクが高いです。

総合的な判断で行うようにしてみてください。    

 財産承継対策に不可欠な不動産相場の将来予測の難しさ(2016.10.18)

昨年来より、相続税の基礎控除額の減額の税制改正にあいまって相続対策についての話題でもちきりです。

銀行や生命保険会社、証券会社等の金融機関もさることながら不動産関連業者も相続対策のコンサルティング業務を前面に打ち出してきています。

目の前の利益よりも長い目でじっくりとその人、その人なりの人生によりそってその人にとってベストとまでいかなくてもよりモアベターな結果となるべくお手伝いをさせていただく。

そして、その過程でお役に立ちながら相続対策の実行支援のなかで売り上げをあげていく。

とにもかくにも、争相続対策といっては、相続税対策といっては、生命保険やアパートをやみくもに売ってしまおうといった風潮からは少しばかりの変化の風をささやかに感じるようになってきました。

相続対策や事業承継対策といったものが人が亡くなった時の財産の移転の際に起こり得る問題に事前に対処しておきたいものの総称と言えるでしょう。

具体的には、円滑さらには円満に各相続人に財産を承継できるように準備しておきたい遺産分割対策、この対策が優先順位一番とも言われています。

遺産分割が決まらなければ相続財産は相続人の共有財産とみなされ、この相続財産で何をするにしても相続人全員の合意が必要となり、実質的には、その相続財産は塩漬け状態のものとなってしまいます。

また、税務的には相続税の計算上、遺産分割協議がまとまっていない未分割である相続財産には相続税法の特例措置が使えないこととなっています。

配偶者の相続税額の軽減や小規模宅地等の課税価格計算の特例、農地や非上場株式等の納税猶予などがその代表的なものです。

続いては財産の承継にあたって発生する税金を納付するために準備しておきたい納税対策があります。

どの程度の税金が発生するものかを想定しあらかじめその負担相当額をどのように工面しておくべきか考えておきたいところです。

毎年、こつこつと貯金をしておく・・・ただ単に自分名言で貯金だけしただけでは、その貯金にさらに税金がかけられてしまいます。

名義預金や定期贈与にならないように注意して、こつこつと毎年すこしずつ各相続人に贈与税の非課税枠を利用して贈与していく方法はよく採られている方法です。

そして、その財産承継にあたって発生する税金を少しでも和らげておきたいための節税対策があります。

これは、読んで字のごとく、税金をいかに低く抑えて行くことができるかを練っていく対策です。

この対策の優先順位は遺産分割、納税対策の次になるといわれています。

税金を低くすることだけを考えて遺産分割や納税を考えていないと本末転倒な結果となりかねないからです。

いかに、効率よく理想的なかたちで次世代に財産を承継できるか・・・

この方法を考えることはとても難しいことです。

この難しくしている要因は相続財産の過半を占めると言われている不動産でしょう。

分割しにくい、換金しにくい、権利が複雑、都市計画法や建築基準法などの制限等々、その取り扱いには専門的知識は欠かせません。

そして何といっても価額が分かりにくい。

価額が分かりにくいという事は、将来の財産承継に備えた対策を考えるうえでは致命的に悩ましい問題となってきます。

何といっても、相続財産の過半は不動産が占めています。

この過半という数値は全国平均、それも路線価ベースでの数値です。

大都市圏内においては、過半は70%や80%という数値となって表れてくるでしょう。

この価額が分かりにくい不動産は、近年、さらに分かりにくくなってきています。

いまは、東京圏をはじめとする大都市圏の不動産や株式はバブル化しているようです。

東京圏の不動産は東京五輪を控えたインフラ整備とその後の利便性の期待感もありバブル化していると言われています。

このバブルは東京五輪前に弾けるとも言われています。

平成初めのバブル崩壊までは不動産の価格は上がりこそすれ下がることは考えも及びませんでした。

そのバブル崩壊では多くの人が大きな衝撃を受けました。

このバブル崩壊を機に、不動産の証券化が始まりファンドという名の投資機関が日本の不動産を安値で買い叩いていきました。

その分、日本の金融機関は多くの不良債権をかかえ公的資金を注入しその場を何とか切り抜けてきました。

そして、生き残れなかった金融機関のいくつかは時代の犠牲となりました。

そして、バブルの崩壊は都心部の住宅市場に大幅な価格の下落をもたらし、一般のサラリーマンでも都心に住居が購入できることとなりました。

いわゆる、都心回帰の始まりです。

都心部のマンションが売れ行き好調となりマンションデベロッパーは息を吹き返すことができるようになりました。

一方で商業地は不動産の証券化にともなってファンドがSPCを組成しては商業用の不動産を信託受益権化して買いあさるようになりました。

ここで、またもやファンドのミニバブルが形成されてきました。

その後に、リーマンショックがおきてバブルは崩壊し日本経済は沈静し、さらには東日本大地震の発生により更なる打撃を被りました。

そして、ここにきてのアベノミクスの効果なのか再度、バブル傾向となってきています。

前回のファンドバブルのときは、不動産の価格上昇の理由がとても明白で分かりやすかったのですが、今回のバブルは東京五輪を控えているという要因はあるものの、原油安やイスラム圏の政情不安、ウクライナ問題、イギリス問題を抱えたEU、等々・・・様々な問題を抱えての時代背景のもとにあります。

これらの問題の行く末によって、このバブルの行く末も大きく左右される様な気がします。

さらに、人口減少による空き家問題に見られるように、そもそも住宅用の不動産は過剰気味となってきています。

このように考えると不動産の将来の価値はどうなるか・・・?

個人的には立地条件の優れたシンプルに優良な不動産に価値がのこり、その他の不動産は処分にも困るといったものになっていくような気がしています。

財産承継という観点で考えて行くと、いまある不動産という財産をそのまま次世代に上手に承継していくのか、先々のことを考えて将来の価値に多少の不安のある不動産は処分できるうちに処分して変わりの優良な財産に組み替えて優良なポートフォリオを形成していくのか、といった選択を考えていく必要があります。

一部の投資顧問を業としている人の意見では、グローバルなポートフォリオを考えた方がいいという意見もあります。

米国その他の不動産や金融商品に組み替える等・・・日本の財政リスクにも備えておくべきとの意見です。

不動産の価格も時代に応じて変動していくようになってきたような気がしています。

これからの財産承継では、ただ単に先代からの不動産を次世代に継承していくという発想だけではなく、よりよい財産に組み替えてよりよいポートフォリオを形成していくといった発想の転換が必要な時期になってきたなと実感しています。

時代の流れに応じて、不動産も売っては買ってといったような投資商品的な見方も必要になってきたのではないでしょうか・・・

     

 相続対策に命綱の現状分析・・・(2016.10.22)

昨年からの相続税基礎控除額減額改正に伴って相続増税・・・相続増税・・・とTVや週刊誌等、各種メディアにとりたてられています。

相続増税に備えての相続税対策としての生前贈与を特集している専門誌も発刊されました。

一言で相続対策といっても、将来の相続税を軽減する節税対策ばかりでなく、むしろ、重要なのは遺産分割であり、そして納税を考えた対策でなければなりません。

以前のブログでも申し上げましたが、相続税には一定の要件もとに相続税の負担を下げられる特例規定が設けられています。

配偶者の税額権限や小規模宅地等の特例、農地や非上場株式等の納税猶予、等々・・・

この合法的に相続税を下げられる特例は、相続税の申告期限までにその特例を受ける相続財産が相続人間で分割協議がまとまっていないと適用できません。

結局、遺産分割でもめてしまうと、そもそも論としていかにして相続税対策を練っていたとしても相続税は軽減出来ないということになりかねません。

このように、相続対策は遺産分割の方法を考えながら相続税の税額をシミュレーションしてその相続税をいかにして納税するかを考え、そして少しでも相続税を下げらる方法も考えなければなりません。

ただし、相続税だけを考えてばかりでもいけません。

相続の開始があるまでのあいだ、土地活用等の収入をだれが享受し所得税はだれが負担するのか、不動産管理法人をつくったり貸家の建物の一部を家族に生前贈与したりしながらの所得税や法人税、消費税も含めてその対策は練っておきたいところです。

このように、いろいろなことを考えて行かなければ、よりよい財産承継はできないでしょう。

では、この相続対策を考えて行く上で、一番大事なことは何でしょうか?

それは、ずばり、財産の現状分析と考えています。

日本の資産家の特徴ともいえる相続財産に占める割合の内、最も高いのは不動産と言われています。

日本全国の平均値で、その割合は50%を超えるといわれています。

路線価の高い地域では、その比重は自ずと上がってきます。

この不動産と言うのが、相続対策では実に厄介な存在となります。

例えば、ポートフォリオの基本である「財産三分法」(財産を「預貯金」「有価証券」「不動産」に適正配分する考え方)の投資・資産運用の基本となるのは「収益性」「安全性」「流動性」の3つの要素といわれていますがが、不動産の投資・運用(有効活用)についてその特性は次のようにいわれています。

①収益性

不動産の収益はインカム・ゲイン(賃料収入)とキャピタル・ゲイン(値上がり益)によって成り立ってきます。

不動産価格の下落によって投資額が少なくなれば、インカム・ゲインの割合が大きくなりますので、投資のタイミングが収益性を大きく左右することになる。

②安全性

実物資産である不動産はそれ自体の利用価値があること、登記による公示制度が整備されていることなどから、比較的安全性の高い資産といえます。

③流動性

不動産はすぐに換金できるわけではありません。

不動産業者に仲介を依頼してから実際に代金を受け取るまで数カ月かかることも珍しくありません。

したがって、不動産は流動性に乏しい資産といえます。

このような三分法で見た場合、まず、収益性についてのインカムゲインについては、土地活用等の賃料収入を得る場合、大きく住宅用と事業用に分かれてきます。

住宅用はアパートや賃貸マンション、駅近くの新規の区画整理地などでは、地主還元地にあっという間にアパートや賃貸マンションが林立してきます。

これは、住宅メーカーや建築業者、不動産会社、銀行等が相続税対策とうたっての猛烈な売り込みがあるからにほかなりません。

まだ、駅から歩10分以内のエリアであれば将来のリスクは少ないものの中には、駅から車で10分以上の区画整理地の端の方の立地に建築されたものもあります。

新しいうちは競争力もあり、そこそこ空室も少なく貸せるでしょうが、10年もすると競争力が落ちて稼働率の低下に悩まされそうです。

まして、これから日本の人口は減少していきますので、建築資金の元を取るのに15~20年もかかる貸家の建築は慎重に進めたいところです。

賃貸経営のリスクの高い住宅地は住宅を欲している方に売却してあげて、そのお金で別の事業用資産に組み替えるといった方法もあるでしょう。

事業用は、例えばロードサイドの店舗や倉庫、駅前の事業用ビル、そしてクリニックモールなどです。

この事業用の土地活用は、一件、一件の賃料が高く、何といっても1件でも空室が出てしまったら、年間に何百万もの収入減となってしまうことでしょう。

私の昔のお客様でもクリニックモールで全6室のうち、2室が空室で入居が決まらず、その建築資金の借入金返済に窮している方がいらっしゃいました。

年間四千万を超える賃料収入があっても、一つの物件でこのような空室が出てしまうと、生活に回せるお金は微々たるものになってしまいます。

資産の時価は20億円あろうとも、一つの土地活用でつまずいてしまうと、一般のサラリーマンの手取り収入に、とても及ばなくなってしまうこともありますので、注意が必要です。

結局、手持ちの不動産を切り売りしながら、何とかやりくりしていくといった話も、よく耳にします。

続いて、キャピタルゲイン、要は、将来売却したら幾らのお話ですが、バブルの崩壊後、ファンドのミニバブルの時期を除いては、不動産をキャピタルゲインを目的として投資してその効果を挙げられた人は、ごく僅かであろうと想像します。

いまは、東京五輪に向けて都心の一等地を初めとして不動産市況は活発化しているようです。

ミニバブルの再来か?と思わせるようです。

ただ、東京五輪の手前のある時点で、このミニバブルの終焉があるのではというお話をされる方もいます。

キャピタルゲイン狙いは、それこそ、東京都心に一等地を除いては、あまり、期待の持てるものではないものと予想します。

まして、郊外となると将来の人口減もあいまって、投資としての不動産という概念は持てないでしょう。

続いて、安全性については、権利関係は不動産は登記という公示制度がありますから安全性は高いものといえます。

利用価値という面で見ると、昔よりは、かなり落ち込んでいると思われますが、それでも駐車場にするとかの無投資での利用価値はあるでしょう。

むしろ、利用価値での問題は借地として貸し出している土地でしょう。

借地のうえに建物が建っている限り、その権利は如何ともしがたいものとなります。

何十年もの間の借地人と地主の関係であると地代もあげるにあげられずに、安い地代の水準のまま貸し続けているケースはよくある話です。

この借地関係の解消、例えば、底地を購入してもらうとか、借地権を購入するとか、何かしらの手立ては組んでいきたいところです。

貸地=仮死地ともいわれています。

いつかは、対応しなければならないものでしょう。

つづいて、流動性については、まさに、流動性は低い財産です。

すぐ、売ろうと思っても、すぐ買ってもらえるものでもなく、もちろん、条件のいいものは、すぐ売れるでしょうが、条件良く売却するためには、ある程度の時間は見ておく必要はあるでしょう。

相続が発生して、遺産分割協議をして、納税額が出て、さあ、納税用に土地を売却しようといった感じでは、申告期限(相続開始の翌日から10ヶ月後)までに売却して納税資金を準備するのには間に合わないといったことにもなりかねません。

こと、相続に準備するといったことでは、売却すべき土地を絞っておいて、即、売却できるようにしておくことが望ましいでしょう。

もしくは、事前に売却しておいて、納税用に生命保険を加入しておくとか(生前贈与を利用するとかいろいろな方法は考えられます)

こうして、考えていくと、不動産は個別性が高く、それぞれの不動産はそれぞれの特性があり、また、いくらで売れるかも実際に売り出してみないと幾らで売れるかは確証はできません。

相続に備えての対策にはこの不動産の現状分析をきちんと行っておく必要があります。

一つ、一つの不動産の資料(公図、測量図、謄本、インフラ資料等)を揃える・・・

一つ、一つの不動産を現地で確認する(立地、日当たり、交通の便、生活利便施設、学校、道路状況等々)・・・

一つ、一つの不動産の価値を調べる(相続税評価額、売却時価等)・・・

一つ、一つの不動産の活用の可能性を探る(住居用、事業用等)・・・

ここまできて、全体を整理して、誰に何を遺してあげていこうか考えてみるべきです。

土地の評価は高くても建物が老朽化して賃料の稼げない物件もあれは、土地の評価は低くてもロードサイドで成功した賃料の稼げる物件もあるでしょう。

単に、土地の価値だけでは、判断できない問題もでてきます。

インカムゲインとキャピタルゲインの両方で考えることも必要でしょう。

こうして、遺産分割をかんがえて、実際の相続税は幾らくらいかかるのか検証して、どうやって納税するのか対策を考えていく。

そして、小規模宅地等の特例や納税猶予の特例の適用可否を確認しながら少しでも節税できる方法を考えて行く。

このような準備が必要でしょう。

よりよい相続対策には、まずは、不動産の現状分析をきっちりと行ってみてください。


 相続・事業承継と不動産(2016.10.23)

以前、某生命保険会社の相続と事業承継のセミナーに参加してきたときのお話しから・・・

来年からの相続増税に向けては、やはり・・・

小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例に関する細かいお話が印象的でした。

特定居住用宅地等の要件についてのお話・・・

同居親族であるか・・・

別居親族であるか・・・

同居か否かで、その要件は大きく変わることとなってきます・・・

2世帯住居であるか・・・老人ホームに入居するか・・・

この要件にもきちんとした確認が必要です。

さらに、土地をいくつか所有している方には、特定事業用宅地等との小規模宅地等の課税価格計算の特例の併用の要件等々・・・

来年からの相続増税に向けての小規模宅地等の課税価格計算の特例の適用要件を満たしているのか否かの確認の重要性を感じます。

路線価が高い地域例えば、㎡30万円を超えるような地域は特に要注意でしょう・・・

このように相続対策を考えていくのには、とにかく不動産対策を考えることとなってきます・・・

どのように遺すか・・・どのように分割するか・・・どのように活用しいくか・・・

そして、不動産に係る税金の対策等々・・・

あらゆる側面から考えていく必要がありそうです・・・


そして、事業承継・・・

たとえば、時勢により売上が落ちてきている法人の場合どうするか・・・

どのような形で後継者に承継していくのか・・・

まずは、その会社の財産を再検証してみる・・・

遊休不動産はないか・・・

不良在庫はないか・・・

有利子負債の額と返済期日・・・

資産と負債の流動比率ならびに固定比率・・・

等々を細かく分析して・・・

近々に売り上げの回復が望めそうにないときには・・・

遊休不動産や貸付不動産を売却して債務の圧縮を考えてみる・・・

この不動産の売却による資産の減少と債務の減少によってBS上はどのように改善されるのか・・・

また、キャッシュフローはどのように改善されるのか・・・

財務バランスと収益といよりは手許にお金がいくら残せるのかを見ながらその対策を考えていく・・・

キャッシュフローの改善がとにかく重要となってきます。

このような場合も、まずは財産の分析・・・

特に不動産の価値を計りながら、抵当権等の設定状況を見ながら、売却方法を考えていきます。

例えば、複数の土地の売却が必要な場合・・・

土地を売却していく順序や、抵当権の抹消の順序等を考えていくことが必要です。

事業承継のあらゆる局面でも、不動産の価値を知ることが、その第一歩としては必要となってきます。


不動産の詳細のリストを作成しておくと、あらゆる局面で有効に活用できることとなります・・・


まずは、不動産の調査を始めておかれることが肝要かと思います・・・、


 相続増税時代の今、見逃せない広大地評価①(2016.10.24)

昨年来より、相続税の基礎控除額の減額が施行されました。

一昨年までの5000万円+1000万円×法定相続人の数の実に40%もの基礎控除額が減額されることとなりました。

相続人が母と子ども3人の場合では、9000万円の基礎控除額が、5400万円となり、実に3600万円もの減額となります。

もともと、相続税の超過累進税率が30%の方は、約1000万円の増税となります。

ただし、増税、増税と言われてはいますが、その裏では、減税できる生前贈与の特例が、租税特別措置法で時限立法化されています。

教育資金の非課税や結婚子育て資金の非課税などです。

この相続増税を乗り切るためには、このような生前の贈与の非課税や小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例など、特典ともいうべき相続税法上の特例規定を、あますことなく上手に使いきることが重要かもしれません。

そして、相続税の減税を考える上で忘れてならないのは、土地の評価方法のうち、広大地の評価でしょう。

平成16年に改正のあった広大地の評価は、改正以後は改正前に要求されていた開発想定図の提出が不要になったりとか、計算式がごくシンプルにかつ減税効果の高いものとなりました。

この広大地の評価は、評価額の軽減効果の高さからも、細かな適用要件があることから、適用なるかならないか、を巡っての税務訴訟となっているケースは、かいま、見られます。

原則的な広大地評価の対象となる土地は、ある一定の広さの土地が対象となります。

その一定の広さとは、都市計画法で定めた開発行為の申請を要する面積以上の広さです。

例えば、三大都市圏では500㎡(500㎡未満としている市町村もあります)、三大都市圏以外では1000㎡、無指定区域では3000㎡(用地地域の定めのある区域では1000㎡)など。

そして、広さの要件だけでは無く、その広い土地は、戸建住宅用の分譲用地として開発され、これらの戸建住宅の敷地として使用するのが、最有効利用であると認められる土地となります。

さらに、戸建住宅分譲として開発する際に、道路等の潰れ地が生じざるを得ない土地が対象となってきます。

ということは、大規模な工場や分譲マンション、さらにはロードサイド型の大規模店舗に適した土地は、そもそもとして、広大地評価の適用対象外となってきます。

一つには、潰れ地が生じなくても、一体で有効に利用すtることができるからです。

ちなみに、マンション適地であるか否かは、原則、容積率が300%以上は、マンション適地と見なされることとなっています。

原則、容積率200%までが、広大地の対象とされているというのが一般的です。

上記の要件だけでは、広大地であるか否かの判定をするのは難しいケースも多々あります。

例えば、潰れ地が必要な開発であるか否か・・・

道路に広く間口の接している土地は、開発行為の許可を受けて道路を作るまでもなく、戸建分譲は容易にできます。

また、角地の敷地等は敷地延長で分譲住宅用地として上手に分割することができることがあります。

そして、マンション適地であるか否か、容積率200%の地域でも、分譲マンションの人気の地域はあります。

反して、容積率300%の地域でも、前面道路の広さによっては、使える容積率が300%を下回ってしまうこともあります。

このように、広大地評価には、グレーゾーンともいうべき適用が受けられるのか否かについて、悩ましいものが、数多く存在します。

このような判定するのに悩ましい条件の土地は、税理士の方にとっては、安全策をとって、広大地の評価を諦めてしまうケースがあります。

もちろん、それぞれの税理士のかたによって、その対応は大きく異なってきますが、何といっても不動産の専門家ではありませんから、潰れ地が必要であるか否か、そして、マンション適地で得あるか否かの理論武装については、どちらかというと不得手な方が大半でしょう。

相続増税時代を迎えたいま、広大地評価については、不動産に詳しい税理士のかたや不動産産鑑定士等の相続対策に積極的に取り組んでいる不動産の専門家に相談してみるのがよろしいと思います。

多少のコストは、かかっても広大地評価の適用を受けることによる恩恵には換え難いものがものがあると思います。

まずは、ご自身の所有している土地の中で、原則的な広大地の要件に該当するか否かを判定しながら、専門家の方に相談しておく事をお奨めします。

また、相続税の評価には、評価単位というものがあります。

要は、利用者毎に、一つの単位で評価するものというものです。

広大地の面積要件も、この利用者単位ごとで、原則的には、考えることとなります。

この利用者単位ごとで評価するという評価方法により、有効活用している建物の名義を誰にしておくかで、広大地の評価が適用できるか否かの問題が生じてくる時があります。

この件につきましては、次回のブログで詳しく、お話させていただきます。

まずは、広大地評価の摘要が受けられる要件を確認してみてください。

 

 遺産分割と相続税の土地の評価の違いに注意・・・(2016.10.25)

 とある講座の講師を務めさせていただいたときのお話しです。

講座の内容は不動産の調査と評価についてでした。

来るべき相続に備えての不動産の調査のポイントや評価の方法や考え方についてお話させていただきました。

不動産の調査は現地や役所や法務局で行うべき調査の内容と方法をお話させていただいておりますが、単にテキストで説明しても実感が湧きにくいと思い某競売物件の鑑定評価書のコピーで物件概要の記載内容を説明しながらこんなレポートを書くための調査が必要ですとお話しました。

この方法は実感が湧きやすくイメージが捉えかったようです。

土地の評価も同様で、一物四課等の基本的なことをテキストで説明してから鑑定評価書で実際の評価の手順を説明することによって、よりよく評価の方法のイメージを捉えられて戴いたようでした。

そんななか、ある聴講生の方からの質問で、相続税対策で一生懸命、相続税の土地の財産評価を下げられる打ち合わせをしているのに、遺産分割の金額がこれと異なることがあるのは理解しにくいというお話がありました。

要は、広い土地を利用区分を分けることによって不整形地をいくつか作り上げて評価を下げる場合や小規模宅地等の相続税の課税各計算の特例を使って評価を下げる場合など、一生懸命、評価をさげる打ち合わせをしているのに、それが遺産分割の金額と異なるというのは、クライアントとうまく話ができそうにないといったようなご指摘でした、

この質問に対しては、相続税の評価額は、あくまで税金を計算するためのものなので遺産分割とは別なものとして考えたほうがいいでしょうとお答えしました。

例えば、小規模宅地等の特例などは、税金を軽減してくれる特例ですから、これを遺産分割の評価とすると他の相続人はOKと言わないでしょうと一つの例で説明しました。

ただ、実際に他の相続人が何も知らないことをいいことに小規模宅地等の特例後の評価額を前提として法定相続分で遺産分割協議をまとめてしまった例もあります。

遺産分割の全ての手続きが終えたのちにそれに気づいた他の相続人が異議を唱えても後の祭りとなってしまった例です。

逆にいうとこんな事がないように、相続に関する土地評価がなんたるかを理解しておくことは意義があることと思います。

相続増税時代のいま、是非、留意してみてください。
     

 相続増税時代の今、見逃せない広大地評価②(2016.10.27)

前々回のブログで広大地評価についての適用要件についてお話させていただきました。

ブログでの文章によるお話ですので、当然ながら、原則的なことに終始せざるを得ず、グレーな部分につきましては、文章でに説明は、甚だ、困難を極め、ご容赦頂けますよう、お願いいたします。

さて、今日は、広大地評価というよりは、そもそも論としての相続税の土地の財産評価を計算する上での根本的な決まりについてのお話がメインとなります。

相続税を計算する上での土地の評価は、その土地の利用者毎に評価するものとされています。

広大地評価に該当するような広くて大きな土地の場たて合、自宅の隣をにアパートや駐車場として活用している場合があります。

このアパートや駐車場を利用する人は自宅の所有者と異なりますので、この広大な土地は、自宅部分とアパートさらには駐車場部分を分けて評価することとなります。

たとえば、この広大な土地が、三大都市圏内の500平米の土地であり、かつ、その他の広大地の適用要件を満たしていた場合で考えてみると、3つの利用者毎に分けて評価すると、それぞれの土地の面積は当然ならが、500㎡未満となってしまいます。

広大地評価はこの相続税の財産評価の評価区分ごとに面積の要件を考えることとしていますので、全体としては広大地評価の適用要件をクリア―しているものの、評価を区分して行うことにより、折角の広大地評価の適用が受けられないということとなってしまうわけです。

広大地評価の減額効果が非常に高いことを考えると簡単に適用が受けられないと諦めるのは勿体ないような気もしてきます。

上記のような場合で、広大地評価の適用を受けられるようにすることはできるのでしょうか?

その答えはYESです。

次の様な対処をすれば、広大地評価の適用要件を満たせることとなります。

まず第一には、アパートについてですが、アパートの建物の名義を、土地の所有者である父から、例えば長男に贈与や売買で移転する。

そして、父と長男との間でアパートのための土地の利用は使用貸借関係とする。

長男の変わりに不動産管理法人という方法もあるでしょう。

いずれにしても、アパートの建物の名義を土地の所有者以外の者の名義に移し、かつ、その利用関係は使用貸借とすることがポイントです。

こうすることで、アパート部分の敷地は使用貸借として供出している土地ですから、他人の権利の及ばない自用地扱いの評価となり、自宅部分と一体の評価となるわけです。

また、貸駐車場部分は、使用貸借関係などというものは存在しえませんので、とにかく他人が利用しているという状況をなくすほかは無く、相続の開始の前に駐車場としての貸し出しを一旦、止めるほかはなさそうです。

こうすることにより、この500㎡の広くて大きな土地は、一体の土地として評価されることとなり、広大地評価の適用要件である500㎡以上の要件を満たせることとなります。

この、名義を変える効果は、相続対策や所得税対策として良く使われる所得分散にも繋がってくる事となります。

また、アパートの所有者が高齢となり認知症となったような場合、その賃料を家族が自由に使えなくなる、または法定後見人の着服などの問題等、高齢になったときのリスクをヘッジするために、若い世代に名義を移していくことは意義の高い対処かと思います。

さらに、広い大きな土地で広大地の適用要件を満たしている土地にアパートが数棟、建っている時は、どうするか?

この場合、やはりアパート1棟ごとに分割して土地の評価を行う事となりますので、1棟ごとの土地の面積では広大地の適用要件を満たせない場合には、アパートの全てを長男等に移転して使用貸借関係とする方法をとることによって、広大評価の適用が受けられることとなってきます。

こうすることによってアパート全体を一つの敷地として一体評価できることとなり広大地の適用面積要件がクリア―されることとなります。

相続対策で貸家を建築して建築資金の債務と建物評価の時価との乖離部分ならびに土地の貸家建付地としての約20%の評価減を狙うとした対策を、やみくもに実施することは御法度です。

ご自身の所有している土地の数や金額、そして毎年の所得金額、さらには将来の遺産分割や納税金額の確保等までをも考えて、誰の名義にするのが得策か、今すぐではなくても、10年後、20年後にどうしていくか、その戦略を考えながら相続対策を実践して行って欲しいなと思います。

備え有れば憂いなしですが、その備えには、現状の分析から導き出す戦略が、とても重要です。

早い段階で、戦略にのった備えを行って欲しいなと思います。

 

 相続税を計算するための土地評価額と実際の時価との乖離(2016.10.28)

昨年からの相続税の基礎控除額の減額に伴って相続税の計算のための土地の財産評価に注目が集まっているようです。

相続税の計算のための土地の財産評価は、路線価方式と倍率方式の二つの方法があります。

路線価方式は、主に市街化区域の道路に相続税の計算のための価額が設定されており、その価額に一定の加減調整を行ったうえでその土地の地積を乗じて評価額を計算するものです。

倍率方式は、市街化区域調整区域等の市街化区域外で主に用いられる方法で固定資産税評額に一定の倍率を乗じて計算するものです。

この相続税の計算のための評価額は、あくまで、相続税という税金を課すための評価方法ですので、実際の時価を表しきれるものではありません。

例えば、間口狭小敷地の補正率・・・いわゆる間口の狭い敷地は使い勝手が悪いことから相続税の評価でも、決まった一定の率で減額出来ることとなっております。

ただ、その補正率の最少の長さは4m未満となっています。

4m未満の敷地は使い勝手の悪い敷地として一率、同じ補正率となっています。

これが、一般の市場価格ともいうべき時価という観点で見てみると、例えば間口が2m未満の土地は道路の接道要件を満たさずに建物の建てられる敷地の要件を満たせないこととなってしまいます。

要は、建物が建てられない敷地なのですが、相続税の財産評価の計算では2m未満の建物の建てられない敷地も4m未満の補正率というカテゴリーの中で一緒くたになって評価されてしまます。

これが不動産の売買の現場では、間口2mの敷地と1.8m間口とではその価額には大きな差額が生じてくることとなってきます。

黙っていても建物が建てられる敷地か、少し買い足さなければ建てられない敷地かの大きな違いがあるからです。

このように、相続税の計算のための土地の評価の計算方法は、相続税という税金の計算のために考えられたものであり、とてもその土地の適正な時価を表しきれないことも多々、出てくることとなってきます。

この他にも、無道路地や、近くに墓地がある等々、相続税の財産評価の考え片には限界が生じてくるときがあります。

このようなときには,不動産鑑定士の鑑定評価書で相続税の申告書を提出することもあります。

そうすることで、時価に近い評価額で相続税の申告を行えることとなります。

相続税の申告は、それとしても、何より適正な時価に気を配りたいのが遺産分割の協議です。

きちんと土地の調査をして、土地の活用をしている土地については、10年後、20年後、30年後のインカムゲインとその土地そのものの価値としてのキャピタルゲインをきちんと評価してその土地ごとの適正な価値を割り出しておきたいところです。

このようにして考えると税理士という職業は相続税の計算のための財産評価には精通していますが、本来の時価ともいうべき土地の価値の算定にはどちらかというと不得手となってしまいます。

そうなると遺産分割での土地の評価をどうするか・・・

相続の相談は圧倒的に税理士に集中します。

相続税のかからないかたは、そうでもないかもしれませんが、相続税に不安を感じている方は、圧倒的に税理士へのご相談となるでしょう。

全ての事に精通することは、非常に困難なことです。

こうなってくると、色々な場面で、使い分けが必要となってきます。

とくに、税理士法や弁護士法の関係で、税金は税理士、遺産分割の話し合い(係争は特に)は弁護士、と相談する相手が異なってきます。

税金の計算や申告、遺産分割の取り纏め、相続対策としての土地の売却や活用、相続対策としての生命保険の活用、等々・・・

それぞれの専門性の高い人にそれぞれ、使い分けをして業務を依頼することとなります。

ここで、問題が生じてくるのが、全ての状況や条件等を把握して全体を見すえて、それぞれの業務を適正に依頼をしたりとか指示したりとかが出来るかです。

原則、当事者である自分の手で行わなければなりません。

ですから、相続に関するセミナーや勉強会は大流行りの状況となっています。

相続は、あらゆることが絡んできますので、税理士や司法書士、弁護士、不動産業者、保険会社などあらゆる業者のかたとの連携が必要です。

相続は、広くて、かつ、やや深い知識は欠かせそうにありません。

将来の相続の対策を考えて行くには、充分な下調べや勉強が必要です。

まずは、無料のセミナーや各種の無料相談会などを利用されてみて、何をどのように勉強していったらいいのかを感じてみられたら、いかがでしょうか・・・


 相続対策は分割、納税、節税の三位一体で講じましょう(2016.11.2)

昨年から相続税の基礎控除減額による相続増税時代の幕が開きまzした・・・

東京や大阪などの大都市圏内においては、不動産は戸建住宅のみといった方達も相続税がかかってくると予想されています。

たまたま、何代にもわたって都心部に住んでいた・・・

その不動産は、住むためのものですから、何も利益を得るものでも、儲けを期待するものでもない・・・

それでも、路線価が高ければ、相続税はかかってくるわけです。

高い財産価値のあるものを親から継承し財産が増えたという事実に対して相続税は課税されます。

収入を得ない財産を相続で取得したことに対して税金が課されると、当然ながら、その納税には苦慮することとなります。

毎年、毎年、一定の収入を得られる財産に対して税金が課されるのであれば、まだしもですが・・・

そこで、国は、住むための不動産を相続で取得した場合に、相続税を軽減できる小規模宅地等の課税価格計算の特例の規程を設けています。

最大330㎡までの居住用の建物の敷地に供されている宅地は、最大限80%まで、軽減できます。

そして、この時用が受けられることの出来る要件が、いくつか定められています。

基本は、親と同居している子供が適用の対象となります。(それ以外の要件もありますが・・)

こうなってくると、ハウスメーカーは2世帯同居住宅の売り込みに攻勢をかけてくることになります。

相互の世帯に快適な独立空間を保ちながら、何かあった時には相互協力できる住み方ができる、そして税金を軽減できるメリットもある。

まさに、いたれりつくせり・・・

というような単純な話の訳にもいかず・・・

そこには、いろいろな問題が潜んでいます。

姑と嫁の関係・・・2世帯同居にして離婚にでもいたったら、それこそ本末転倒なこととなってしまいます。

そして、何といっても気をつけなければいけないのが、遺産分割の方法を考えておくことでしょう。

長男と二男、長女の3人の子供がいて、長男が2世帯住居で同居していた場合で、遺言等の何の準備もなく2次相続が発生した場合、父親の相続の時には母親が間にはいって問題は表面化せずとも、母親の相続のときに遺言書等の準備がなされていないと、兄弟間の遺産分割協議の話合いで、2世帯住居の敷地となっている母親の名義の土地に相当する金額までをも均等に分けろと求めらることも考えられます。

そうなってくると、遺産分割協議をまとめるためには、その土地を含んだ相続財産を均等に分けないとならないでしょう。

そのときに、他の兄弟に代償して支払える金融資産があれば2世帯住宅は維持できますが、それがないと売却して区分するといった事態になりかねません。

2世帯住居を建てれば節税につながるといったこの時勢の流れにのって、親と同居するのだから問題は起きないだろうとの希望的観測でことをすすめるのはご法度でしょう。

遺産分割までも考えて、遺言書を遺しておくとか、他の子供にも配慮した分割を考えるとか、そういった準備が必要です。

もしかしたら、税金を払うことになっても、嫁や姑の関係を考えた場合に無理して2世帯住居に住まないほうが幸せな暮らしができるかもしれません。

相続への備えは、子供への分割を考える、何の軽減もない場合の相続税の予想を立ててみる、そして納税は可能か検証してみる、そして節税対策が幸せにつながるものかいなか考えてみる。

もしかしたら、同居よりも、老後は自分の故郷でのんびり温泉三昧の人生というのもありかもしれません。

相続にむけての老いじたくには、分割、納税、節税の三位一体で考えてみてください。


 資産防衛にとても大切な土地の価値を知るということ・・・(2016.11.4)

失われた20年・・・

バブルが崩壊して、デフレ経済が続き、円高・株安に苦しんできたこの20年・・・

ただ、その途中には、都心部の土地の価額の下落によってファンドのミニバブルが生じて、都心部の不動産の価格がつりあがる時期がありました。

そして、リーマンショックで、また、奈落の底に落ち込んでしまいました。

政権は自民党から民主党に移り、この民主党時代に本当にいろいろなことが起こりました。

沖縄基地問題、尖閣問題、東北大震災、福島原発・・そして・・・景気は円高・株安のどん底の状態でした・・・

消費増税と引き換えに解散総選挙を決断した元野田総理・・・

今となっては、大きな大決断であったなと思います。

自民党に政権が交代し安部政権が誕生しました。

非常に明確な景気対策を打ち出し、円安・株高のアベノミクスによって日本経済は一息つきかけています。

そして、2020年の五輪は東京に決定し、東京の神宮や湾岸地域は五輪施設の建築ラッシュとなっています。

この景気の持ち直しを反映して、都心のビル需要は増大し都心部のあちこちで大きなクレーンがビルの建築に活躍をしています。

まさに、いま、東京五輪への盛り上がりもあって、ちょとしたバブルがおきようとしているようです・・・

このバブルは、東京五輪開催前にまさに泡となるであろうとも予想している人もいます・・・

結局・・・

いい時は・・・長く続かない・・・

いい時と悪い時が、交互に繰り返されるものなのでしょう・・・

土地の相場もそうかもしれません・・・

バブルの崩壊前は、土地の価格が下がるということを考えたこともありませんでした・・・

当時、NHKで日本の土地の値段は高すぎるといった特集番組が放映されていたことを覚えています。

今の半分の価格相当額が、適切な価格帯であると言ってました・・・

何を言うか・・・と・・・何気にきいていましたが・・・

まさかのバブル崩壊・・・銀行は大丈夫か・・・証券会社は大丈夫か・・・

不動産や株で大損する個人や会社が相次ぎました・・・

自己破産に倒産・・・

とんでもない事態になりましたが・・・土地相場の大幅な下落にともなって、一般の会社員も都心のマンションを購入できるようになってきました・・・

都心回帰という現象です・・・土地の値段が適切化されるのも悪くないなと思いました。

しかし、バブルってなんだったのでしょうか・・・


バビル以降は、土地の相場は落ち着いてきたと思います。

一部の都心部のみ、ファンドバブルでの浮き沈みが生じてきましたが、地方は微減ながらデフレな分、毎年、路線価は下がり続けています。


このように、不安定な時代になってしまいましたので、不動産をそれなりに所有されている方は、自分の持っている不動産の価値を、きちんと押さえていくことは、とても重要なこととなってくるでしょう・・・

はたして、今、この土地は売れるのか、売れないのか・・・

売れるとしたら、いくらで売れるのか・・・

または、この土地は稼げる土地なのか・・・稼げるとしたらいくら稼げるのか・・・

その稼ぎは、土地の相場と兼ね合わせて適切な稼ぎであるのか否か・・・

さらに、この土地を持ち続けることによって、税金をいくら納めるのか・・・

固定資産税は・・・相続税は・・・

その相続税がかかってきたときには、納税ができるのか・・・

そもそも、相続税の計算のための土地の評価額はいくらなのか・・・

売ったらいくらのほかに、相続が発生したら税金はいくらの見通しも立てておきたいところです・・・

そして、納税のためにどうしたらいいかを考えてみる・・・

金融資産で、対応できればそれでOKですが・・・

金融資産で、将来の税金という負の資産をまかなえないときは、その対策を考える必要があります。

また、相続人間の遺産分割を考える上でも、不動産の価値をよくよく、調べておく必要があります。

特に、アパートや倉庫、貸店舗、賃貸マンション等の土地活用がされている不動産の場合は、土地の近隣の相場がいくらだからいくらという見方だけではなくて、賃貸収入が年間いくら、そして、あと何年貸すことが出来そうだからといった収益還元の見方でも考えてみましょう・・・

そして、不動産の全部の価値を調べたら、その全てのデーターを眺めながら、分割や納税を考えてみてください・・・

その時には、当然、不動産の他の金融資産を始めとした財産、さらには借入金等の債務がある時は、それらのものも同じテーブールに載せて考えてみましょう。

借入金は、債権者の同意があって、初めてその債務を承継する相続人が定められます。

相続人間で、遺言書等により承継者を定めるのは勝手ですが、債権者はあくまで相続人全員がその債務を弁済する義務を有するわけですから、相続人間の勝手に決めた承継者を単純に了承するというわけではありません。

その点には、注意して、相続前にあらかじめ、その承継等についてのお話合いは済ませておくべきでしょう。

相続対策は、相続財産の大半を占める不動産のことを、よく知ることから始まるといっても過言ではありません・・・

自分の所有している不動産の価値・・・売ったらいくら、貸したらいくら・・・税金はいくら・・・を、まずは掴んでみましょう。

土地活用や生命保険による相続対策は、その後からです・・・

くれぐれも、全体の不動産のデーターを同じテーブルに載せて頭を悩ませる前には、何かしらの対策を講じてしまうのはお勧めできません・・・

まずは、不動産を知る・・・を意識してみてください。

 相続・事業承継対策のむずかしさ、あちらをたてればこちらがたたず(2016.11.16)

相続・事業承継の対策を考えることの難しさとは何でしょうか・・・?

相続・事業承継を考えた場合、まず、第一に、誰に何を引き継がせるかを決めなければなりません・・・

会社の経営権を誰に引き継がせるか・・・

これが、兄弟がその会社に役員として在籍していた場合、どちらの子供に代表権を譲るか・・・

さらには、後々のことまで考えて、会社の株を誰に対してどのように分割していくか・・・も考えなければなりません。

社長である父親や母親が存命中のときは、まだ、兄弟間の代表権等の争いは何とか抑えは効くかもしれません。

両親がいなくなった時点で、代表権がはっきりと明確化されていないときは、もめてしまう要因となってくるでしょう。

後継者選びが、事業承継の最初にクリアすべき関門でしょう。

そして後継者が決まった・・・

あとは、いかに後継者に引き継いでいくかです・・・

これが、また、一筋縄ではいかないこともでてきます・・・

経験を積んでいくこと、取引先や金融機関との人間関係や信用の構築・・・等々

後継者への事業引継ぎ・・・これが、第一の基本となってくるでしょう・・・

なお、万が一の社長の死亡に備えた生命保険、とりあえず事業が軌道に乗るまでの機関の運転資金や社員の給与等に見合う保証は用意しておきたいところです。


そして相続を考える・・・

第一に来るのは、遺産分割です・・・

例えば、会社の経営権は長男・・・

その他に子供が3人いる・・・

長男以外の子供に何を遺してあげるか・・・を考えておく必要があります。

父親の財産のほとんどが会社の株式で占めているような場合・・・その分割をどのうようにして行っていくのか・・・

ある程度の財産は、長男以外の子供にも遺してあげたい・・・

このような思いのもと・・・どうしようか・・・悩みが生じてきます。

この悩みの解決には、とにもかくにも、会社の価値を推し量る必要がありあます・・・

今の自分の会社の価値・・・いくら・・・?

たとえば、M&Aでいくらで買ってくれるのか・・・

特別な営業ノウハウをもっている・・・特殊な技術を持っている・・・

企業価値を、推し量るのは、相応に、無ずかしいものです・・・

売るわけではないのですが、自分の会社の価値を知っておくことも重要でしょう・・・

そして、税金・・・相続税の評価額はどの程度であろうか・・・

このように、売るとしたらいくら・・・相続が発生した時の評価額はいくら・・・等の会社の価値を精査してみることが重要でしょう。

そのうえで、会社の株式を始めとした個人の財産の全体の棚卸と分析を行います。

そして、子供間の遺産分割を考えて、それなりに公平間のある遺産分割案を考えていく・・・

円滑にことが進むように、きちんとした遺言書も遺しておくことが賢明でしょう。


続いて、相続税・・・そもそも・・・税金がかかるほどなのか・・・

税金がかかってくるとしたら、いくらくらいか・・・その納税はどうやって対処するか・・・等も考えていく必要があります。

ここでも、万が一のための納税資金用の生命保険等の加入は有効かもしれません・・・

この税金・・・少しは下げられる余地はないのか・・・

そして、節税の方法を模索していく・・・

事業承継の場合、相続税、贈与税とも株式の納税猶予の制度がありますので、適用要件をよく確認したうえで検討してみることをお勧めします。

この節税でいえば、会社経営の場合は、相続税というよりは、当面の法人税に目が向いていきます。

損金計上できる生命保険に加入して、満期や解約返戻金を取得する段階で、退職金として損金計上する・・・

といった、生命保険活用の提案が大きく支持されてきた時代がありました。

度重なる税制の改正で、掛け捨て以外の保険料は、その半額か一定の金額までしか損金が認められないこととなって、節税を第一に生命保険というわけにもいかなくなってきました。

会社経営の場合は節税も重要ですが、とにかく、経営の安定化、黒字体質をしっかりと築き上げることが、まずは先決問題でしょう。

そして、資金等に余裕ができてきたら、先ほどのような生命保険をつかった退職金の準備等も考えてみるといいと思います。

ただし、法人税だけを考えての対策はNGです・・・

退職金をもらったあとの相続税や所得税をも考えておきたいところです・・・

老後資金として退職金をもらったものの、相当数を残したまま相続をむかえてしまった。

この退職金が現預金として遺されていた場合、その丸々が相続税の課税対象です。

生命保険金の非課税枠に余裕があるようでしたら万が一のために、告知不要の一時払いの終身保険に加入しておくのもいいかもしれません。

必要な時には解約返戻金を受け取ることもできます。

このように、法人税や所得税でメリットを享受しても、最後に相続税が口を開けて待っているかもしれません。

これが、会社の株のほかにも、個人で賃貸マンションやアパート、貸店舗、などを所有している場合は、もっと複雑にからみあってきます。

このあたりが、難しいところです・・・

あちらをたてれば、こちらがたたず・・・

あらゆる関連する税法やその他の法令も含めて、さらには会社の経営計画などもふまえた・・・全体的な視野で相続・事業承継の対策は考えていくべきでしょう。



 ちょっと待て・・・その相続対策は正しいですか・・・(2016.11.19)

相続対策・・・と一言でいってもいろいろなことがあります・・・

まずは・・・相続が起きた時にいろいろとしなければならない手続等をあらかじめ調べておく・・・

7日以内の死亡届に火葬許可署や埋葬許可書、生命保険金の請求、年金受給者死亡届、世帯主変更届、等々・・・それは、それは、やらなければならない手続は山ほどのようにあります・・・

いざ・・・相続といったときに何をやっていいかわからないと・・・悲しみにくれる間もなく・・・何から手をつければいいのか・・・右往左往してしまうことでしょう・・

せめて・・・やることさえ、分かっていれば、その段取りのスピードは自ずと多いに異なってくるでしょう・・・

相続の手続等は・・・エンディングノートに年金や保険会社の連絡先や担当者等を書いといてあげれば、連絡先を調べなくても済っますので、その負担は大いに軽くなるでしょう・・・

そして・・・遺産分割の対策・・・

これは、遺言書を遺しておくことが一番の対策となるでしょう・・・

エンディングノートで自分の気持ちのみ遺されて、後は兄弟仲良く分けてといったような方法もあるかもしれませんが、やはり法的効力のある遺言書・・・それも、安全性を考えて多少の費用はかかるものの公正証書遺言がさらには無難な選択でしょう・・・

ただ・・・遺言を遺す・・・といった場合に、誰に・・・何を遺すと考える前に、相続財産の現状調査と分析はきちんとしておきたいところでしょう・・・

遺言書は、一度書いても新しいものを書けば新しい遺言書が有効となりますので・・・書き直しOKと考えれば・・・財産の調査や分析が甘くても・・・都度、新しく書けばOKとも思えます。

が・・・しかし、人間はいつ万が一が・・・起きるかは、皆目、検討もつきません・・・

遺言を遺そうと考え始めたら・・・相続財産の調査と分析を始めていただいた方が宜しいでしょう・・・

特に不動産が多数あるときなどは・・・その不動産を誰にどうやって遺すか・・・あるいは、どの不動産で納税資金を準備するのか・・・今のうちに収益性の高い不動産に組み替えようか・・・等々・・・

納税対策や不動産活用を行いながらの節税対策を練らなければ・・・そもそも・・・どうやって分けるのか・・・は決まってこないでしょう・・・

同様に、相続財産の全体の調査と分析を行い、かつ相続税のシミュレーションまで行って、分割方法や納税方法を考えていく・・・その過程で土地の活用をどうするかを考える、節税効果は、キャッシュバリューは、インカムゲインやキャピタルゲインは、等々を考えながら全体的にバランスのいい活用を考えるべきでしょう・・・

生命保険も同様でしょう・・・

全体をみながら・・・適正に必要な保障額を計算し・・・一番、メリットの高い商品を選ぶべきでしょう・・・

ともすると・・・

争族対策と銘打って・・・遺言書を書きましょう、保険は四角・現金は三角といっては相続に備えて分割や納税に必要な保険に入りましょうといっては・・・全体的なバランスを見ることなく・・・保険の勧誘が行われています・・・

また、土地活用にいたっても、全体のバランスを見ることなく・・・ピンポイントにこの土地にこのアパートを建てましょう・・・収支はいくら残ります・・・相続税の評価額はいくら下がります・・・を売り文句に販売が行われています・・・

理論的には、誤った提案はしてきていません・・・

一番の問題は、その提案がその人にとってベストチョイスかでしょう・・・

全体を見ずにしてきた提案は・・・何か無駄な部分があることが多いようです・・・

相続対策・・・ちょっとまて・・・その対策は、本当にあなたにとってベストな対策ですか・・・

くれぐれも、そのことを念頭におきながら、相続対策を進めていって頂きたいなと思います・・・
   

 2極化時代の相続対策とそのリスク・・・(2016.11.20)

新聞をぱらぱらとめくると・・・いろいろなハウスメーカの相続対策セミナーの案内広告をよく見かけます。

相続増税時代となったいま相続税の財産評価額を下げるために、貸家を建てようと進めるものです・・・

毎年のように、何度か同様のセミナーの記事を目にします・・・

相続税の基礎控除額の減額を受けて、各ハウスメーカーは新規顧客開拓に躍起の様です・・・

そんな記事を読みながら、何気に日経WEB版に目をやると興味深い記事が目に入ってきました。

その記事の内容は、昨年の住宅着工数の増加に関する内容から、空家の状況についての記事でした。

住宅着工数が増えるのは、経済の活性化という側面では非常に喜ばしいことと考えがちでしたが・・・・

その反面、現状の空き家数は、全国でおおよそ800万戸近くあるようです。

このまま、現状のような住宅着工数で推移すれば、当然に人口は減少してきていますので、この空き家は無尽蔵で増えていく恐れがあります。

ここで問題なのは、日本の場合、住宅総量を管理したりとか住宅総量を調整する概念をもっていないことにあるようです。

例えば、東京都の場合、土地の価格の推移にもよるでしょうが、先ずは23区、次に23区の外側へと住居を求めることとなるでしょう。

人口減少や住宅の増加に伴って空き家が膨大に増えてくると、価格は下がるは、賃料は下がるは、多摩ニュータウンのように都心から遠く離れた郊外型団地はスラム化してしまうことも考えられます。

このようにして考えると、相続対策の貸家建築は、賃料の下落や空室等のリスクは非常に高くなってくると考えられます。

目先の相続税を下げるのか、思いきって売却して他の資産に移しておくのかの判断も必要となってくるでしょう。

むしろ、人口の増える国の不動産を所持した方が、資産価値は高いともいえるでしょう・・・

相続税は上がってくるは・・・相続後に土地を売却した時の譲渡所得の取得費加算は削られるは・・・空室や賃料減額のリスクは高いは・・・

今後の相続対策は、一筋縄ではいかなさそうです・・・

不動産の知識、税務全般の知識、保険の知識、資産運用の知識、等々の総合的な財産コンサルティングのスキルが必要となるでしょう・・・

とにかく、冷静に総合的に、判断することが必要となってくるでしょう・・・


 相続増税時代のいま・・・これからの土地活用について・・・(2016.11.24)

昨年からの相続増税時代により、新聞紙上等で土地活用の広告の掲載が目立つようになりました。

アパートやマンション、時間貸駐車場、等々・・・

どの土地活用の方法が一番向いているのでしょうか・・・

駅から近い容積率も300%・・・高層の賃貸マンションにしようか・・・

駅から多少、離れているが、まあまあの住宅地・・・アパート経営にしようか・・・等々

ここで、その選択にとって重要なことは、その人にとって何が・・・よりよい土地活用であるか・・の判断でしょう。

その判断には、その人ごとの個々の資産状況によって変わってくるでしょう・・・

所有している土地の数の多さによって、当然に変わってきます・・・

土地の数の少ないAさんは、土地活用を新たにしなくても相続税がかかるか否か・・・ぎりぎりの感じ・・・

といった場合の時は、とりあえず、一番事業性に優れた土地活用の方法を選択すればよろしいでしょう・・・

これが、土地が数多くあり、何億円もの相続税がかかってきそうな場合は、どうでしょうか・・・

相続税がいくら位、かかってくるのか・・・

その納税資金をどう手当てするのか・・・を考えていかなければなりません・・・

まずは、土地を含めた全ての財産を現状把握し、その状況を分析すべきでしょう・・・

相続税の概算シミュレーションをして、納税資金として準備しておくべき金額を想定する。

そして、金融資産等の流動系資産でいくら手当てできるか・・・

金融資産で不足する分は、どうやって手当てするか・・・

と同時に、相続人間の分割をどうするのか・・・

遺言書を遺しておきたいが、誰にいくらずつ残しておくか・・・

悩ましい問題は山積み状態です。

併せて、土地の活用で相続税の減額がいくらくらい、できるものか・・・

そして、その土地活用で上がってくる収益に対する所得税をどうやって節税していくか・・・

同族会社をつくるべきか、そしてその同族会社をつくることによる相続税への影響は・・・

生命保険で退職金を準備し法人税や所得税対策をし、かつ、納税に備える方法もあるでしょう・・・

財産の現状把握から現状分析・・・

相続税の概算でのシミュレーション・・・

そして、分割や納税を考えながら土地の個別ごとの状況の把握から今後の活用の方針を考えていく・・・

そして、それぞれの土地毎の個別具体的な活用の計画を練っていく・・・

アパートがいい?マンションがいい?倉庫がいい?、駐車場がいい?定期借地がいい?太陽光発電がいい?・・・等々

または、事業用に不向きのため、売却して事業性に優れた不動産へ・・・組み替えていくべきか・・・

これには、どの不動産を納税用にしておくのか・・・

将来まで何を大事に遺して活用していくものなのかの選択分類を的確にしておく必要があります。

売却の条件のいい話が出た時には納税用に売却しておく・・・そして、その売却資金を生命保険で納税用に準備しておく等々・・・

考え出すときりがなくなってきそうです・・・

土地活用は、事業性を第一に考えながら、将来の相続税という税金も考えながら、当面の所得税や消費税も考えながら、そして、その後の管理も考えて、大規模修繕やこまごまとした修繕も老朽化が進むごとに大変な出費となります。

箱モノをつくった土地活用は、おいそれとその収入から得た資金を使ってしまうのはご法度です・・・

将来の修繕に向けて、資金をストックしておく必要もあります・・・

空室リスク、変動金利の融資を利用するときの金利上昇リスク、にも備えておく必要があります・・・

個々の活用計画ごとの収支計画はシビアに見ておきたいところです・・・

土地の値上がりは、昔ほどに期待できなくなってきました・・・

バブル前の土地活用は、多少の失敗は土地の値上り益で解消できたものと思います・・・

人口減少も進んでいるなか・・・

土地の活用はくれぐれも、慎重に考えていく、そして時には大胆に考えていくべきでしょう・・・

本当に、難しい時代になってきたと痛感しています。

    

争続(遺産分割、遺留分減殺請求)は不動産の価値の認識の相違から始まる(2016.11.28)

相続の話に欠かせない争族対策・・・

遺産分割のときに相続人間で財産の分割の話し合いがまとまらない・・・

遺言書が遺されていたものの遺留分に満たない相続人が減殺請求をしてその代償金をめぐって話し合いがまとまらない・・・

等々・・・

相続財産の分割をめぐって、相続人間で話がまとまらないと・・・

いわゆる、相続財産の分割をめぐっての争い・・・争族となってきます・・・

争わないためには・・・

遺言書やエンディングノートを遺しておきましょうと・・・

まことしやかにあちこちで耳にし目にします。

この争族となってしまう理由は一言ではいえないでしょう・・・

小さいころからの想いとか、親の愛情とか・・・いろいろなことが絡んでいる場合もあるでしょう・・・


その争族の一つの要因として不動産の価値の相続人間での認識の相違があるでしょう・・・

遺産分割や遺留分の減殺請求の場合、不動産はいくらで評価するのか・・・

相続人間の話し合いで決めていくものですから・・・

当然、法律で定められたものはありません・・・

法律では、いわゆる相続人の相続分が民法で定められているくらいです。

そうなってくると、どうするか・・・

基本的には被相続人が亡くなった時に、市場で売却できる金額となります。

この売却できる金額は、どうやって算出するのか・・・

不動産は、大体いくらくらいで売れるといった売却予想額は査定金額として算出できますが、実際に売りに出してみないといくらで売れるかはわかったものではありません。

不動産には4つの価格の目安が存在しています。

いわゆる一物四価といわれる所以です・・・

固定資産税評価額、路線価、公示価格・基準地価格、そして実際相場価格・・・

固定資産税評価額、路線価、公示価格・基準地価格は、国や地方の行政が毎年(固定資産税評価額は3年に一度)評価額を算出しています。

固定資産税表額は固定資産税を課税するため各市町村が、路線価は相続税や贈与税を課税するため国税庁が、公示価格は売買の価格の目安として国土交通省が、基準地価格は売買の目安として各都道府県が・・・算出し公表しています。

公示価格・基準地価格が時価(売却できそうな金額)水準で算出され、路線価はその8割、固定資産税評価額はその7割水準で算出されています。

さらに、実際の該当する不動産の近くで販売された事例をもとに算出する取引事例価格や収益還元法などを用いて、個々の不動産の価値を算出することができます。


ここで、話を戻しますと・・・

遺産分割や遺留分の減殺請求の場合、相続人間でこの不動産の価格をめぐっての争いがよく生じるわけです・・・

不動産をもらう相続人は不動産はなるべく安く・・・できれば、固定資産税評価額で・・・

不動産以外の財産を貰う人は、不動産はなるべく高く評価することを望んでくるわけです・・・

この不動産の価格というか評価をめぐって、裁判所の調停や審判にいたるときもあります・・・

裁判所までいって、話しがまとまらなければ、裁判官は不動産鑑定士の鑑定評価書をもとに遺産分割の内容を決めていくようです。


このように、分けにくい、換金しにくい、価格がわかりにくい・・・不動産は相続のときには本当に厄介な存在となってきます。


生前の相続対策を考えましょうと奨められて争族対策として固有の財産である生命保険金を利用しましょうと提案されることが、非常に多いかと思いますが・・・

円満、円滑な遺産分割や納税のための相続対策には、いきなり生命保険や土地活用を奨めるのではなくて、全ての不動産の価値(売ったらいくら、貸したらいくら・・・等)を推し量ったうえで検討してみてください。


思い描いていた遺産分割の内容を変更する考えも湧くかもしれません・・・

その遺産分割の内容を替えてくると、当然に納税のプランも変わってくるかもしれません・・・


不動産の価値・・・まずは、ご確認してみてください・・・


相続対策のスタートは全ての財産を理解することから始まる(2016.12.1) 

以前に参加したセミナーのお話です。

セミナーの内容は、相続に備えた不動産の資産防衛と活用に関するお話でした。

どちらかというと、土地を相当数、所有されている地主さん層向けのお話でした。

冒頭から約半分は、海外不動産の情報のお話でした。

シンガポールの不動産市場のお話が多く、相続対策の話であったはずなのに面食らって聞いていました。

海外不動産の情報は、それなりに楽しめて聞けました。

それにしてもシンガポール・・・いろいろと耳にしてはいましたが、活気ある開発が目白押しの感じがしました。

人口も増加(移民)しており、不動産相場も上昇中とのことでた。

昔から、海上通運の貿易の要衝の地であったことから、金融業やサービス業には強みがあるような感じがしました。

日本の湾岸エリアも、もっと活発な開発があってもいいかもしれないと改めて思ってしまいます。

カジノの建設等々・・・いずれにしても、東京五輪の開発後の湾岸エリアが楽しみではあると思っていいますが・・・

シンガポールにドバイ・・・勢いがあります・・・が、バブルの崩壊のリスクもあるような気もしますが・・・


話は、もとにもどって、やっと、相続対策のお話となったわけですが・・・

将来の相続に備えた不動産対策として、まず、何をやっているか・・・

当たり前の事ですが、全ての不動産を現地で確認して調査することです。

それから、いわゆる現状分析と呼ばれる調査内容をこと細かに分析していく作業を行っているようでした。

かなり、詳細の資料をつくられることもあるようです。

調査報告書として、1冊の製本として提出されているそうです。

見本を見せてくれました(中身は見せてくれませんでしたが・・・)が、厚さは4cm弱はあろうというものでした。

(私の場合は、製本ではなく、ファイルとして提出しますが、厚さは8cmというときもあります。)

この調査や分析の内容は、プロジェクタ―で写し出されたもので見せて頂きましたが、見事なまでに詳細に調査されていました。

この講師の先生は、もと、ハウスメーカーで住宅の営業経験がある方でしたので、建築に絡んでくる調査はお手のもののような感じでした。

土地の調査は、住宅地図、公図、測量図、インフラ資料、道路図、始めとした関連資料の全てを取得し、道路の区分や制限、建築制限、等々、こと細かにレポートして纏めている感じです。

一つの事例として、自宅の奥にある生産緑地の土地(道路に接道していません)があったそうです。

自宅の奥にあるので、接道していない・・・

接道してないと隣家の方が購入することくらいしか望めませんので、相場はおおよそ坪5万円・・・

これが、道路に接道できて住宅用地として売却できるようになれば、坪40万円・・・

200坪はあろうという広さ・・・その差は7000万円強・・・

道路からその生産緑地には水路と赤道が続いている・・・

この水路と赤道を市役所や財務省の立会のもとに何度も調整を図って、道路としての許可を取得できたそうです。

道路の許可というか、その生産緑地には建物が建築可能となったそうです。

この交渉や手間は、かなりの難度のたかいものであったろうと想像できます。

さらに、この対策は、その他の不動産もすべて調査したうえでの導き出されたものでした。

その他の不動産には、古いアパートなどの貸家が、3つの地域に散在していました。

そのほか比較的、新しいアパートが、2つの地域に散在・・・

問題は、古いアパートの処遇、建て替えるか、更地にして売却か、リニューアルしてもう少し稼いでもらうか・・・

結論は、リニューアルにしたそうです。

その答えは、全ての不動産の調査や分析を行ったうえで、将来の相続税の納税資金や節税、そして現在の貸家の収支状況を分析しての答えだったそうです。

比較的、新しいアパートが老朽化するまでは、リニューアルで稼いでもらって、時がきたら順次、建て替えていきながら競争力を高めていく方策をとったようです。

老朽化しているとはいえ、そのリニューアルは外観デザインや外構のデザインまでを見直す大がかりなものでした。

当然に、工事代金は、相当額かかったようですが、全ての賃貸物件の収支を将来にわたってシビアに予想しながらの計画でしたので、オーナーさんも安心して任せられたようです。

何のといっても、無道路の生産緑地の土地が、建物が建てられるようになっています。

いきなりの相続が発生しても、納税用にいつでも売却できる土地が新たに産まれたのは、心強いばかりでしょう。


相続の対策を立案する上では、全ての土地を見せて頂くこと、全ての活用物件の状況を教えてもらうこと、ある程度の精度の相続税シミュレーションが可能な情報(現預金、株式等の金融商品や生命保険等)がいただけることが、前提となるでしょう・・・

そして、調査、分析の報告をしたら、対策の提案です。

この提案で、土地活用の提案をするときに重要なのは、土地の価額もあわせての利回りを確認すべしのお話もありました。

私の場合も、建物の建築価格に土地の公示価格等の金額を加算しての利回りで確認するようにしています。

これは、土地を売却した金額に建物の工事代金を加算した同等の金額で、売りに出ている他の不動産の利回りと比較するためです。

あまりに低い利回りの場合、土地を売却して、貸家を建築した気になって、その分の借入金額をたして、優良な投資不動産を購入する方が得策ともいえます。

いわゆる、組替えの提案です。

これも、やはり全体の不動産、さらには金融資産等を含めた、全体の財産のバランスを見ながら考えていくべきでしょう。

5年後のキャッシュフロー、10年後、20年後、30年後のキャッシュフロー、そして相続対策、分割、納税、節税・・・

この全体像を、描きながら、自分の希望を満たせるような対策を練り上げていけば、よろしいかと思います。

やはり、入り口での、調査、分析が・・・相続対策のキーポイントとなるようです・・

 相続税が気になる方に相続税概算シミュレーションのすすめ(2016.12.2)

昨年、相続税の大きな改正が施行されました・・・

基礎控除額の60%の減額と超過累進税率の最高税率の引き上げです。

この改正で都心部の相続税の課税対象となる人が大きく増えてくると予想されています。

従来では、毎年、亡くなる人のおおよそ4%の人が課税対象者となっています。

この4%が6%にも倍の8%にもなると予想されています。

都心部のように土地の路線価の高いところは、全国平均では4%であったとしてもその割合は10%を超す地域も出てくるでしょう・・・あくまでも、全国平均で4%です。

この相続税の基礎控除額の改正に向けて、その対策のセミナー等が目立ってきています。

相続対策のために土地に30年一括借り上げのアパートやマンションを建てましょう・・・

生前贈与で子供や孫に現預金を移管しましょう、そして生命保険でリスクヘッジと運用をしておきましょう・・・等々

このような対策は、確かに相続対策として税金圧縮には有効ですが。くれぐれも、相続人間の遺産分割や納税方法を組み立ててから進めてほしいなと思います。

そして、具体的な相続対策を考える上では、相続税のシミュレーションで、いくらくらいの相続税がかかってくるものであろうかを確認しておくべきでしょう・・・

そもそも論として、相続対策といってもどの程度の税金がかかってくるのか、どの程度の税金を下げていくのか、その根本的なところをきちんと見ておかないと・・・結果的にあまりいい相続対策とはならないことが多くなってくるようです。

その相続税のシミュレーションもいろいろな見方で見る必要があるでしょう・・・

これは、相続対策を先行して考えることにもなるかもしれませんが、相続税法上の使えそうな特例の適用を受ける場合と受けない場合の税額の違いやその特例の適用を受けるためにはどういった要件を満たす必要があるかも一つずつ確認しながら見ていくのがいいと思います。

例えば、住宅や住宅取得資金を配偶者に贈与した場合の贈与税の配偶者控除や住宅取得資金や教育資金の贈与税の非課税、小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例(居住用、事業用、貸付用等々)や広大地の特例、等々・・・

とにかく、ある要件を満たせば、黙っていても相続税が下がる特典ともいえる規定がありますので、その適用云々を検討してみるとよろしいでしょう。

また、相続税のシミュレーションをしながら、土地の評価の計算上、税額を下げられる可能性も検討してみます・・・

広い敷地の一部分の利用者の区分を変えることによって不整形地を作りだし評価を下げることはできないか・・・

例えば、広い自宅の一部を貸駐車場として、土地の評価単位をわけることによって形の悪い土地の評価として評価額を下げてみる等の方法です・・・

このように、とりたてて、借入金をするとか自己資金を何かに使うとか、動かすとかをする前に、現状での税額の予想額と借入金等のリスクを取らずにできる節税額の可能性を検証してみるべきでしょう・・・

そのうえでそれぞれの特例を使うごとの税額を見ながら、本格的に相続の対策に取り掛かったほうがよろしいでしょう。

まず、検証しておくべきことを検証してみる・・・

そして、その次の段階から、さらなる階段を上がっていくというようなイメージで進めていったらいかがでしょうか・・・

私は、長い間、住宅の営業に携わって起案した。

地震に強い家として売り込みをしていました。

その地震に強い家も地盤の弱い敷地の上に何の対策も施さずに建ててしまっては、元も子もありません・・・

大事なのは、きちんとした地盤調査です。

弱い地盤のときに、どのような補強工事が必要なのかを見極めることが、とても重要です・・・

相続対策も同様に、まずは、足元の税金は実際、いくらくらいかかるのか、お金をかけずに税額はいくらくらい下げられるのか・・・

そんな事前調査がとても、重要なことと思います。

相続税のシミュレーションでお聞きになりたい方は、お気軽にご連絡ください。
 

 宅建業法の無免許営業について・・・(2016.12.4)

本日は、宅地建物業法の『無免許営業』について、お話させていただきます。

宅建業法の無免許営業とは、宅地建物取引業の免許を持たない人が、広い宅地を所有していたとして、その宅地を区画割りして利益を目的として不特定多数のかたに売却する行為は、『宅地建物取引業』に該当することから、その区画割りして不特定多数の方に分譲した行為は、無免許で『宅地建物取引業』を行ったとして、無免許営業に該当することとなります。

その売買を不動産業者に仲介で依頼したものであっても、無免許営業に該当するというものでした。

ただ、その無免許営業については、何区画分譲したらそれに該当するかなどの明確な基準の定めはなく、各都道府県で、その取り扱いは異なるようです。

一部、厳しい都道府県では、2区画から無免許営業に該当することとしているようですし、反して20区画でも何も言われない都道府県もあるようです。

この無免許営業については、売主の地主さんへの罰則の規定はあるのですが、売主の地主さんへの罰則よりは、その仲介を行った不動産業者に対して『無免許営業幇助』による宅建業法による罰則が適用されることが多いようです。

土地の時価が毎年下落しているなか、広い土地を一括購入して分譲する不動産業者が減っているなか、広い土地を処分しなければならない地主さんにとっては、面倒なことです。

もっとも、自分で『宅地建物取引業』の免許を取得すればいいわけですが、試験をうけて合格後に店舗を準備してそのほか登録費用で約200万円程、かかってきます。

とても、毎年、継続的に売却したい一団の土地があればともかく、数年に一度程度の売却行為であればそこまでの手間と費用の負担は厳しいものでしょう。

土地の地価が右肩上がりから下落基調にかわってきたこの時代において、相続税の納付のために土地を売却しなければならないといったときに、一括で購入してくれる不動産業者が少なくなってきたことから価格を競わせるような有利な価格交渉も出来なくなってきたりとか、なかなか一括では売れなくなってきたりとか、厳しい局面を迎えています。

このように考えてくると、そもそも、自分の土地を細かく区画割りして不動産仲介業者に売却を依頼することに、何の問題が生じてくるのかが、疑問となってきます。

この無免許営業は、宅地建物取引業の免許のない者は土地の分譲を行ってはいけないということですが、その分譲をプロの不動産仲介業者が行えば売買契約の取引上は、何らの問題は生じないと考えます。

昔のように、売り易い時代から、売却困難な時代に変わったなか、宅建業法の見直しも必要ではないでしょうか? 

  

 相続増税と担税力について・・・(2016.12.7)

昨年1月から相続税の改正が施行されました・・・

超過累進税率の改正もさることながら、何といっても、基礎控除額の減額が今回の増税の大きな要因となってきます。

現状の6000万円と1000万円×法定相続人の数の控除額は、3000万円と600万円×法定相続人の数の控除額へと減額されることとなります。

この影響を大きく受けるのは、いわゆる2次相続と呼ばれるお母さんの相続のときです・・・

一次相続と呼ばれるお父さんの相続の時は配偶者のお母さんが健在であるときが多く、この場合の相続では、小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例はその宅地等を配偶者が取得すれば必ず適用を受けられることと、さらに、配偶者に対する相続税額の軽減の規定の適用が受けられることにより、相続税がかかってくるハードルはかなり高いこととなってきます。

小規模宅地等の課税価格計算の特例は、被相続人の居住の用に供されていた宅地等を被相続人の配偶者が取得したときには330㎡まではその宅地等の課税価格のうち実に80%もの価額が減額されるものです。

そして、配偶者に対する相続税額の軽減は、最低1億6千万円まで、または全体の課税価格のうち配偶者の法定相続分(相続の放棄があった場合にはその放棄がなかったものとした場合の相続分、子供がいる場合は1/2)までは、相続税がかからないようになっている規定です。

話がそれてしまいましたが、配偶者の優遇規定が受けられる妻か(通常は夫が財産のほとんどを所有しているため妻)夫が相続人にいる場合は、一般のお勤めの方では、今回の相続増税の影響を受ける人は少ないものと思われます。

問題は、2次相続の時・・・

配偶者に対する相続税額の軽減の規定の適用は当然にないことと、小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例の規定の適用を受けるためのいくつかの要件が必要となってきます。

その住宅に住んでいた被相続人と同居していたこと、もしくは同居していなかった場合は自分もしくは自分の配偶者の持ち家に相続開始前3年以内にすんでいなかったこと等その他一定の要件を満たしている必要がありあます。

このように考えると、2次相続が発生する前の相続対策の重要性がわかってきます。

ここで、本題の担税力のお話ですが・・・

相続税もしくは消費税または固定資産税や自動車税等以外の税金は、基本的には儲けに対していくらという計算によって税金を課しています。

これに対して、資産を持っているだけで税金を課すのが固定資産税や自動車税・・・

これは、ある程度の資産を所有している人は担税力があるといった判断が課税根拠となっているものでしょうか・・・

自動車は自分で購入して所有しているものですから・・・いざ知らず

固定資産税は、代々、家のものを引き継いだものに対して課税されます。

お金を稼げる不動産に課税されるのならまだ理解できますが・・・

何ら、お金を稼げていない不動産にも課税されてきます。

それも場合によっては、何もしていない土地が、お金を稼げている土地よりも高い固定資産税となるときも多いにあり得ます。

そして、相続税・・・

相続がおきて先代から財産を無償で引き継いだ・・・

これは、無償で財産が増えたことを意味し、財産が増えるということはこれは利益である・・・そして税金は利益にたいして課税する。

いいかえれば、財産が増えることに対して税金は課されるわけです。

相続税は、その財産が無償で増えることとなるわけですから、課税価格そのものに課税されることとなるわけです・・・

ただ、その相続で増えた財産のなかで、担税力のないもの・・・

例えば、稼げていない不動産・・・これは、担税力はないか・・・

稼げていなくても、売れば納税できる・・・物納すれば納税できる・・・

これは、株や投信などの金融商品も同様です・・・売れば納税できる・・・

担税力がないといえるかというと・・・担税力はありそうです。

そうなると、担税力のない財産はというと・・・

売るに売れない財産、物納に出せない・・・相続人に最低限生きていく上で必要な財産・・・

それは、居住用や事業用の財産です・・・

被相続人や被相続人と生計を一にする被相続人の親族の居住用または事業のように供されている不動産や自分の会社の株式です・・・

このように、必要不可欠な財産には、小規模宅地等の特例や農地の納税猶予、非上場株式の納税猶予、山林の納税猶予等の特例規定があります。

最低限、必要な財産・・・生活するための財産、事業承継の財産・・・といったところです・・・

こういったものや、または、生前の贈与で次世代に財産を早めに継承していくための住宅取得資金や教育資金等の贈与税の非課税の特例の規定などがあります。

ここで、相続税の基礎控除額の減額と小規模宅地等の居住用の特例の緩和の規定を考えてみると・・・

基礎控除額の減額・・・法定相続人を子供三人で考えた場合・・・

現状の8000万円が4800万円の減額となります・・・その差3200万円・・・

この基礎控除額の減額で一番影響を受けやすい都心部の戸建て住宅に住んでいる人を想定で、この3200万円を考えてみると・・・

小規模宅地等の居住用の面積要件が240㎡から330㎡に緩和された・・・その差90㎡(約27坪)

そして基礎控除額の差3200万円をこの27坪で割ってみると・・・@約120万円弱となります・・・

路線価で120万円・・・公示価格ベースで坪約150万円・・・

この坪150万円前後の土地相場の地域が税務当局の特例の設定の目安としたものかもしれません。

相続増税にあたっては・・・

一応は、生活に必要な居住用の財産についての担税力には気を遣ったたのかとは個人的には感じています・・・


いずれにしても、相続増税には、小規模宅地等の特例と生命保険による金融資産の課税価格圧縮で対応したいところです。


まずは、相続税の概算シミュレーションを計算してみたらいかがでしょうか・・・


 日本の空き家の数とこれからの不動産について(2018.12.11)

 日本の空家の数が増え続けているようです。

こんな記事を見かけるようになってきました。

そんな記事を読んでいると何か深刻な気持ちになってきます。

すべての住宅に占める空家の割合は・・・

2年前で・・・なんと・・・過去最高の13,5%に達したようです。

7~8軒に1軒は空家ということになってきます。

さらに、15年後には空家の率は25%に達するであろうといわれているようです。

もちろん、地域間格差はありますので、全ての地域で25%ということではないと思いますが・・・

この原因の一つの要因は、日本での中古市場の人気のなさがあるのかもしれません。

中古よりも新築・・・

という方向に向かってしまっていたようです。

最近は、住宅の質そのものが上がってきていますので、気に入った中古住宅があればきれいにリフォームをして住まわれる方も増えているようです。

そういう私も、実は中古住宅を購入して住んでいます。

某大手ハウスメーカの建てた築10年強の家と完全な真南道路、最寄りの駅まで徒歩18分、近くには大型店舗、小学校、中学校、といった条件の物件が出てきましたので購入しました。

ほとんどは、土地の条件で決めました。

建物は、大手ハウスメーカーの木質ユニット工法の家ですが、バブル末期に建てられた家ですからはっきりいって、出来はいまひとつかもしれません。

ユニット工法ですから、そのほとんどは工場生産ですが、現地での最後の細かい工事がいま一つの様な気がします。

バブル時代は、職人さんを取り合うようにして建てていましたので、あまり、出来のいい家は少ないかもしれません。

それでも、大手ハウスメーカーの家ですから、しっかりはしています。

出来の悪いと言ったのは、細かいおさまりや、最後の仕上げの部分で、そう感じているだけかもしれません。

元2☓4住宅の営業マンですので、そう思えてしまうことは多々・・・でてきます。


話は、それてしまいましたが・・・

バブル以降に建てらた住宅であれば、それなりに安心できる住宅は多いとは思いますが、やはり、建設会社次第で、出来の良くない住宅も当然にあるでしょう。

中古住宅の善し悪しが売買の時の重要事項説明で表示しきれないところに中古住宅を安心して購入できない一因となっているような気がします。

旭化成のへーベルハウスは、さすがにロングライフ住宅をうたっているだけに、ストックへーベルハウスといった古くなったへーベルハウスの品質を表示するシステムを、かなり前から取られていました。

競合他社に在籍はしていましたが、そのシステムは素晴らしいものと感じていました。

中古で売却せざるを得なかったときに、安心して購入していただけるシステムをいち早く取り入れていました。

いま、日本の中古市場でも、そんな中古住宅を安心して購入できるように何かしらの中古住宅の品質を表示するルール作りも考えられているようです。

これからの不動産業者さんは、きちんと、その不動産の善し悪しを明確にして取引するのが求められてくるでしょう。

昔の不動産屋というイメージである・・何か騙されるのとか何か隠しているのではといったものが払拭されていくべきでしょう。

不動産の資格は、宅地建物取引主任者から宅地建物取引士に、名称変更となりました。

者から士へ・・・

不動産といった大きな財産価値を持つ商品を取り扱う資格ですから士といったような構えも当然かもしれません。

弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、土地家屋調査士、行政書士、等々・・・

士という名がつく国家資格は、大きな信用と信頼がおかれています。


宅地建物取引主任者から宅地建物取引士へ・・・


これからは、きちんとした調査と説明と提案が求められてくることでしょう・・・

    

 遺産分割と納税に備えた不動産調査について・・・(2016.12.13)

昨年からの相続税法改正(基礎控除額が現行の60%に改正他)によって、銀行、信託銀行、生保会社、建築会社、デベロッパー等々・・・個人の財産に絡んでくるあらゆる業種や業態の会社が、こぞって相続対策を売り文句とした営業戦略をたてているような感じがします。

相続対策・・・相続と言えば・・・税金・・・相続税といえば一部の資産家の悩むものと思われがちですが、実際は税金に関係ない遺産分割での悩みが深刻なものとなってきます。

兄弟間で親の遺した財産をめぐっての争いがおきた場合、その話し合いの収拾は困難を極めることとなってきます。

多くの財産があるからもめるのか・・・

実は、家庭裁判所への相続の調停申し込みは、相続財産5000万円以下の人の割合が70%を超えるといったデーターもあるように、相続税がかかってくる人のみが心配なのではなく、むしろ、相続税がかかってこない人のほうが遺産分割が纏まらないといった結果となっています。

この要因としては、相続財産の内訳に占める割合として金融資産に比べて不動産の比率が高いことがあるかもしれません。

国税庁の資料では、相続財産のうち不動産(土地+家屋)の占める割合は、約57%(平成21年)となっています。

あくまで、これは、全国平均値さらには路線価ベースでの対比です。

これが、公示価格や実勢相場(路線価は公示価格の約80%で評価)で対比した場合、さらに東京や大阪といった都心部である場合は、その対比は70%をゆうに超えてくるものかもしれません・・・

相続財産のうちに不動産の割合が多いということは、兄弟間で均等に分けるのが難しいからです。

昔は、均等に分筆して分けるのが困難な場合は、均等に共有持分で分割しているケースは多く見受けられました。

そして、50年後には、その共有者は、30人をこえ会ったことも見たことも無い遠い親族と共有している事となってしまいます。

現に、2世帯住居(建物は親との共有持分)を親の土地に建てて住んでいた長男が、母の2次相続で2世帯住宅の土地の分を含めた相続財産の均等分割を要求され、どうにもならずに2世帯住宅を売却して換価分割した例もあります。

また、相続税がかかってくるといった場合、その相続財産の殆どが不動産、相続税を支払える金融資産が無いといった場合、手持ちの不動産を売却して相続税を納める必要がでてきます。

相続の開始後(被相続人の死亡を知った日の翌日)10カ月以内に相続税を計算して国に納付しなければなりません・・・

その時に、すぐ、売却できる土地はなにかです・・・

貸家や賃貸マンションが建っている場合、新しければまだしも、老朽化していた場合は買手は更地での売買を希望するでしょう。

賃借人がいると立退きの交渉が必要となってきます。

そのまま、賃借人つき、オーナチェンジで購入してくれればいいですが、買手が新築前提で考えている場合、ありえない話でしょう。

急な相続でそんな局面に立たされた場合、売却できる土地はどれか・・・たまたま、一番条件のいい虎の子とも言うべき土地の賃貸借契約が完了し、すぐ売却できる状況であったため、その虎の子の土地を売却して相続税を支払ったというケースもあります。

上記のようにならないためには、あらかじめ、長男との2世帯住居を建てるときに遺言書を遺しておくこと、さらには、遺言書があっても遺留分の権利はありますので、不動産の実勢相場をきちんと把握して、遺留分相当額を長男が代償して支払える準備はしておくべきでしょう・・・

ここで、必要なのは、遺産分割での不動産の価格を、どう想定しておくかでしょう・・・

実際の遺産分割では、相続人間でその価格を話会いで決めていきます。

いま、売ったらいくらで売れる・・・といった実勢相場から路線価や固定資産税評価額まで様々な価格があります。

いわゆる一物四価と呼ばれるもので、①固定資産税評価額、②路線価、③公示価格・基準地価格、④実勢相場の4つです。

①から④に行くに従って、高い水準の価格となってきます・・・

それぞれの価格を算出して、他の財産の価格も考慮しながら遺される方が自分で判断していくほかないでしょう・・・

また、納税にあたっては、いつ、相続が発生しても慌てずに納税できる準備はしておくべきでしょう・・・

そのためには、相続税のシミュレーションをして、いくら支払う予定なのかを把握して、手持ちの不動産のうち納税用に売却しても惜しくない不動産を選定しておくべきでしょう。

そして、すぐ、売れるように駐車場等にしておく等の対策が必要です。

この場合は、手持ちの不動産の全てを改めて見直して、残すもの、売却してもいいもの、等に振り分けておくべきでしょう。

相続に備えるために、とにもかくにも、まずは・・・不動産を改めて見直してみてください。

何か、思わぬ気付きやアイデアが思いつくかもしれません・・・


 備えあれば憂いなし・・・将来の相続に向けて準備しておきたいこと(2016.12.14)

昨年からの相続増税時代に向けて、あらゆるところで相続対策、争続対策、相続税対策といった言葉を見かけるようになる機会がふえてきました。

新聞では、相続増税時代に向けての土地活用のセミナーの広告もまことしやかに目立ってきています・・・

TVでは、相続増税時代に向けた特集番組が組まれています・・・

相続問題は昔から大きなテーマとして存在していわけですが、今までは相続税という税金に関しては毎年の亡くなる方のうち約4%の方が対象となるということもあって、相続税の心配をされる方はごく一部の限られる方であったものが、来年からの基礎控除額の減額によって、都市部の土地の路線価の高い地域では、戸建ての持ち家に住んでいるだけで、その心配が出てくることとなってきました。

今までは、相続税なんて気にしなかったかたでも、都心部の持ち家のかたにとっては、今回の基礎控除額減額は・・・それはそれは・・・気になってくるものでしょう・・・

厄介なのは、小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例や、配偶者の相続税額の軽減といった特例規定を適用して相続税額が0円となった場合でも、相続税の期限内申告書の提出が必要となってくることです・・・

小規模宅地等の課税価格計算の特例は、来年の改正以降は、330㎡までは評価額の実に80%もの金額が軽減されることとなります。

例えば、被相続人の居住の用に供していた土地が330㎡で路線価が50万円/㎡の場合だと、敷地形状等の要素を考えないで、そのまま乗じて計算すると1億6千5百万円の評価額となります。

その土地を相続や遺贈で取得した者が、被相続人の配偶者であれば、細かな要件を気にすることなく小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例の規定の適用を受けることができます。

また、その土地を相続または遺贈により取得した者が、その被相続人の子供であれば、一定の要件(同居しているか非同居の場合はその子供およびその子供の配偶者の所有している家に相続開始前3年を超えて居住していないこと等の要件が必要。この要件は細かい規定ですので必ずご自身で再度、確認してください)を満たしていることと相続開始から申告期限まで引き続きその住居を取得した者がその住宅に居住していることがその必要な要件となってきます。

とにもかくにも、小規模宅地等の課税価格計算の特例の規定の適用を受けることが、できれば、上記1億6千5百万円の評価額は、その20%の3千3百万円に軽減されます。

これは、例えば、相続税の超過累進税率が20%の場合であったとすると、165,000,000円×80%(軽減分)×20%(超過累進税率)≒16,500,000万円の相続税額が軽減されます。

もしくは、この特例の規定を受けることにより相続税の課税価格が、相続税の基礎控除額以下となれば、相続税の納付額は0円となってきます。

この場合のように、税法の特例規定の適用を受けて、相続税額が0円となる場合には、相続税の期限内申告書の提出が必要となってくるわけです。


これからの相続増税にむけて、まず、確認しておきたいこと・・・

それは、現状で相続税はかかってくるのか、かかるとしたいくらなのか・・・を、概算でいいから、掴んでおきたいところです。

概算とはいえ、小規模宅地等の課税価格計算の特例の規定等の税法の特例規定の適用可否の要件については、きちんとその要件を確認しておきましょう・・・

いざ、相続が発生・・・期限内申告書を提出したら、税法の特例規定の適用が否認されたといったものでは、元も子もありません。

特に、小規模宅地等の課税価格計算の特例の規定の適用については、子供が同居するか否かで、その適用がうけられるか否か、が大きく左右されることとなります。

もちろん、同居していなくても、受けられる要件もありますが、上記でお話した自分や配偶者の持家の居住要件のほかにも、被相続人と同居していた別の親族がいなかったことなども必要要件となりますので、細心の注意が必要です。

こう考えてくると、相続増税に向けて、税額のシミュレーションをして、相続税の状況について確認しておく・・・

そして、その次の段階でその税金対策を考える上では、遺産分割を考えなければならないでしょう・・・

今回の税制改正では、都心部に住宅を所有しているだけでも相続税がかかってきそうな増税となっていますので、小規模宅地等の課税価格計算の特例の規定の適用が受けられるのか、否か、受けようとした場合のその住宅を引き継ぐ子供を誰にするのか、そしてその住宅を引き継がない子供への遺産分割をどう考えるのか・・・等の心の整理をまずはしてみるべきでしょう。

その考えに沿って、円滑な遺産分割のための遺言書を残しておくとか、代償分割用の資金を生命保険で準備しておくとか・・・等の具体的な対策が考えられるようになってきます。

くれぐれも、この逆の流れはお奨めできません・・・

もっとも、まずいのは、いきなりの節税対策です。

たとえば、生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)に余裕があるといって、90歳まで無告知(入院していると不可)で入れる生命保険に加入してしまうといったことは、避けるべきでしょう。

こういった保険を活用することはいいのですが、誰に何を引き継いでいくかによって、保険金の受取人や契約者を考えていく必要があります。

遺産分割の青写真が出来上がる前に、相続対策を目的とした相続対策は、土地活用も含めて控えておいたほうがよろしいでしょう・・・

まずは、相続税はどうなるのを確認してみる・・・当然、その確認には財産の棚卸が必要です・・・

財産の棚卸で自分の財産を、再度、確認してみる・・・

そして、今後の老後の生活に必要な資金ややっておきたいことを書き出してみる・・・

幾らくらいは、自分の手許にのこしておいて、あとは、相続の対策で生前贈与をしてしまうとか、その財産ごとの利用区分もしておくべきでしょう・・・

そうなってくると、ファイナンシャルプランナーにライフプウランの相談をしてみるのもいいかもしれません・・・

以上のような相続の準備や老後の生活のファイナンシャルプランニングをきちんとしておくことで、将来の相続についての心配をすることもなく、充実した老後の生活が送れるのではないでしょうか・・・

何といっても・・・備えあれば憂いなし・・・でしょう・・・

 相続対策・・・備えあれば憂いなし・・・当たり前のことを当たり前にしておきましょう   (2016・12・15)

相続対策・・・相続対策・・・と、世間ではまことしやかに騒がれています・・・

相続対策って・・・何でしょうか・・・

とても、とても、一言ではいい現れそうにありません・・・

相続といえば、まず、相続税という税金が思いつきます。

国が課税する一定の額を超える資産を所有している方がなくなると課税される税金です。

この税金が課される方は、一昨年までは、非常に少なく、年間の相続件数のうち、おおよそ4~5%の方が対象となっていました。

そして、昨年1月1日から、相続税のかかってくる一定の額を超える額が改正されました。

その一定の額とは、相続税法上、基礎控除額と呼ばれているものです。

その基礎控除額は、一昨年までは、5000万円+1000万円☓法定相続人の数(相続の放棄があった場合にはその放棄がなかったものとした場合の相続人の数)で計算され、例えば、配偶者である相続人が奥様と子供2人で合計3人の場合は8000万円が基礎子控除額となります。

その基礎控除額が、昨年1月1日から、3000万円+600万円☓法定相続人の数に改正となりました。すなわち、今までの60%までが控除されることとなったわけです・・・

この改正で従来の4~5%の課税対象者が、倍近くになるのではとも、予想されていましたが、結果はいかほどとなったのでしょうか?

もうじき、公表のデーターが発表される頃です・・・

これで、相続対策として相続税という税金を意識せざるを得ない対象者のかたは、相当数、増えていることでしょう・・・

相続対策として、相続税を意識せざるを得ない対象となる方は、その対策はその人によって千差万別、この対策といった決まり切った対策はありません・・・

相続税の基礎控除額をどの程度、超えてくるのか・・・

先祖伝来、都市部やその都市近郊で、多くの土地を所有し、多くの土地活用をしている方の相続税の対策・・・

会社経営者のオーナーの方の相続税並びに事業承継の対策・・・

不動産は都心部に広めの戸建住宅のみ所有しているものの基礎控除額の減額により相続税が気になりだした方・・・

等々・・・

その資産の規模や内容によって、その対策は大きく方向性や具体的方策は異なってくることとなってきます・・・

この税金対策の前提ともなる共通する大事な相続対策はというと・・・

それは、やはり、遺産分割の準備です・・・

円満とは行かずとも、円滑な手続きが行えるような準備はしておきたいところです・・・

この相続税という税金対策の前提として、なぜ、遺産分割が重要かというと・・・

相続税額の計算上、相続税を減額できるいろいろな特例があります。

小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例、配偶者の相続税額の軽減、農地や非上場株式の納税猶予、等々・・・

このような特例は申告期限までに相続人間で相続財産の分割手続きが完了している場合にその適用が受けられることとなります。

申告期限までに、遺産分割が完了していない場合は、分割の完了していない財産は、各共同相続人及び包括受遺者が民法(寄与分を除く)の規定による相続分または包括遺贈の割合に従って所得したものとして相続税の課税価格を計算するものとしています。

そして、相続税の特例の規定の適用は受けられないということになるわけです・・・

ただし、申告期限から3年以内に分割されれば、後追いで適用が受けられる特例のあります。

代表的なものは、配偶者の相続税額の軽減や小規模宅地等の相続税の課税価格計算に特例などです。

ちなみに、農地や非上場株式等の納税猶予は、申告期限までに分割が完了していなければ、その適用は受けることはできないこととなります。

このように、とにもかくにも、相続が発生したら・・・

円滑に遺産分割が行えるような準備を生前にしておきたいところです・・・

その準備に、効果的なものは・・・

やはり、遺言書を遺しておくことでしょう・・・

それも、安全を考えれば、公正証書遺言がいいかもしれません・・・

そして遺産分割を考える時には、相続税の納付の方法まで考えておきたいところです・・・

いくら、かかりそうなのか・・・

かかってきそうな相続税を金融資産で賄えるのか・・・

金融資産で足りない分は、どのようにして工面しようか・・・

土地の一部を売却するか・・・

どの土地を納税用の売却対象の土地としようか・・・

等々の大まかな算段は付けておいたほうがよろしいでしょう・・・

そして、税金の下げられる方法や少しでもお金の残せる土地活用や、遺産分割や納税、節税に使えそうな生命保険の活用等を考えていくこととなってきます・・・

このような相続対策は、まずは、何をしていくべきか・・・

当たり前のことを当たり前にしておくことだと思います。

まずは、自分の財産を改めて見直してみる・・・

何が、どの程度、あるのか・・・

全ての不動産を見てくる・・・

時価相場でいくらくらいになるのか・・・

相続税の評価額がいくらくらいになるのか・・・

そして、子供たちへの思いを整理してみる・・・

例えばエンディングノート等を作りながら、気持ちを整理してみる・・・

そして、誰に何を遺してあげるかを考えてみる・・・

事業をしている方は、その事業をどのように継承していくかも考えなければなりません・・・

自分自身のことを改めて見直してみる・・・

例えば、財産であれば、紙に書き出してみる・・・

等々、本来、当たり前のことを当たり前にしておくことが一番に重要なことかもしれません・・・

ただ、相続対策の場合は、民法や税法及び不動産の知識をフルに活用しますので、その当たり前のことを知ることは、以外に難しく、当たり前のことを当たり前におこなっておくことは、非常に大変です・・・

将来の相続に不安のある方は、早めに専門の方に相談することが賢明な相続対策となるでしょう・・・

   

 相続に備えた不動産対策とは・・・(2016.12.19)

ある相続のセミナーでのお話です。

そこで講師の先生がおしゃっていたのは・・・

相続の対策というのは、究極、不動産に関わる税金を知ること、不動産がいくらで売れるかをおさえること、とおしゃっていました。

もと、都市銀行の行員のかたで、相続対策に使える節税商品なども開発してこらえたそうです。

相続対策と言えば、①遺産分割、②納税の準備、③節税対策、といわれています。

遺産分割や納税のことを考えないで、節税対策として土地活用等を進めていくと、結果、円滑な分割が出来ない、納税ができる金融資産がない・・・結果、虎の子の不動産を売却するといったことが起こらないともいえません・・・

本当は、虎の子の不動産を売却しなくても、そのほかの不動産を売却すれば、とりあえず、凌げたのにといった場合でも・・・

不動産業者さんが、とりあえず、こっちの条件のおちる不動産を売却すれば何とか凌げそうですねといってくれればいいですが・・・当然に、条件のいい土地の売却を押しすすめたいというのが、本音でしょう・・・

もっとも、その判断が出来るほどの情報をお客様からいただけないというのが、現実のところとなってきますが・・・

不動産に関わる税金とは・・・何か・・・

まずは、所得税関係・・・

代表的なものは、不動産を売却した時の譲渡所得、土地や建物であれば、分離課税となります。

相続に絡む場合は、ほとんどが長期になるでしょうから、取得費や必要経費控除後に、住民税等を含めて約20%の税金が貸されます。

相続税を払うために相続財産である不動産を売却した場合には、相続税のうち一定額を譲渡所得の取得費に加算されることとなりますので、相続後に売却した方が納税資金の準備としては効率のよいものとなりますが、問題は不動産の売却はいつ売れるか、いくらで売れるかの具体的な予想が困難なことでしょう・・・

相続後の売却で、申告期限10カ月に決済が間に合わないといった時に、税務署に事情を説明して、とりあえず延納の申請をして切り抜けたことがあります。

最終的に、土地の決済が終了した段階で延納分の相続税を利子と一緒に納めて完了しました。

他には、不動産を賃貸に供してれば、不動産所得が生じてきます・・・

不動産所得や将来の相続の対策のために、不動産管理法人をつくって、家族を社員として所得分散をして、給与所得控除の恩恵をうけながら、超過累進税率の税率も下げていくという節税方法もよく取られています。

不動産管理法人を設立するほどでなければ、賃貸物件の建物のみを子どもに売却か贈与をして、所得分散をするといった方法も取られています。

テーマは所得分散と、法人をつくる場合は、給与所得控除の活用というところでしょう・・・

また、不動産所得にからむ消費税の対策も考えられるでしょう・・・

消費税のかかる駐車場や事業貸家の売り上げを家族の中で分散化させることで、1000万円を下回させれば、消費税の納税は回避できることとなります。

もっとも、駐車場の所得分散は土地の譲渡や贈与が前提となってきますので、事業用の倉庫や事務所といった貸家の譲渡や贈与となるでしょう・・・

他には、固定資産税等々・・・ただの更地で稼がない遊休土地をどうするか・・・

土地の活用が難しい立地、周辺に住宅もお店もなく、とにかく、寂しいといった場合、太陽光発電の可能性があるかもしれません・・・

そういった可能性がなければ、納税用に売れるときに売ってしまった方がいいかもしれません。

固定資産税を、ただ払い続けるだけならば・・・その選択はありえるでしょう・・・

そして、相続税、土地の多くも所有していれば、路線価という評価額(若しくは固定資産税評価額の一定の倍率)を、もとに課税されることとなります。

相続税での不動産の注意点は、何といっても、税法上の特例の規定を意識することでしょう・・・

小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例

広大地の評価

農地の納税猶予

さらに会社経営をされている場合、非上場株式等の納税猶予

不整形地評価と利用区分

貸家建築による評価減

等々・・・相続税法には、適正に評価を下げられる計算方法が定められています。

まずは、こういった特例を余すことなく利用することが重要です・・・

以上が、大まかな不動産に関連する税金といったところでしょうか・・・


そして、不動産の価値を知ること・・・

それぞれの不動産が、いま、いくらで売れるかを知っておく・・・

これが、分からないと、そもそも、考えようも無いといったことになってきます。

税金によるお金の持ち出しと売ればいくらお金が入るといったことを、先ずは、知っておく・・・

そのうえで、色々な考えが浮かんでくるものでしょう・・・

まずは、不動産調査、棚卸をして全ての不動産をまず観てみる・・・税金を調べる・・・売却価格を調べてみる(自ずと建築基準法等の制限も調べられることとなります)・・・といったことを、始めてみたらいかがでしょうか・・・


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